『助けてもらわないと生きていけない』
野口嘉則

マンガ『ワンピース』の中で魚人のアーロンから「バカで非力で愚かな種族が人間だ。 海に沈んでも 一人じゃ上がってこれねェ様な てめェに 何ができる」と言われた主人公のルフィは、「俺は何もできねェから 助けてもらうんだ。 俺は剣術も使えねェし、 航海術も持ってねェし、 料理も作れねェし、 ウソもつけねェ。 俺は助けてもらわねェと 生きていけねェ自信がある」と答えます。ルフィのように、自分の弱さや不完全さを認めることができたとき、人は、真に仲間を大切にすることができ、ホンモノの相互協力関係を築いていけます。逆に、挫折を経験せずにエリートコースを歩んで来た人が、しばしば社会性に欠け、チームワークづくりを苦手とするのは、「自分一人でなんでもできる」という万能感を手放せていないため、他人を利用対象として見てしまう傾向があるからです。おたがい、弱いところや不完全なところも含めて、ありのままの自分を受け入れていきたいものですね。


