「コケそうになるのをこらえるから速く走れる!」というお話です。
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「コケそうになるのをこらえるから速く走れる!」これは世界陸上の400メートルハードルで銅メダルを獲得した為末大さんが、速く走るコツを説明した言葉です。思い切って前のめりの姿勢を取ったとき、転ばないようにするには、必死で脚を動かし、バランスを取るしか道はないというわけです。これは、仕事をする心構えにも通じるのではないでしょうか?失敗を恐れずに、グッと重心を前に取る。つまり、後ろをまったく振り返らずに仕事に取り組んでみる。そうすると、もうゴールだけを見て、大車輪で働くしかないのです。そして、自分が決めている限界点を超えたところに仕事の重心を置いてみる。すると、処理能力がどんどん上がる。これは真実です。私が赤字会社の再生をするときも、実は目標を110%達成に設定しています。すると当然、自分の限界を超え、より多くのハードワークが必要となります。しかし、その厳しさがそれまで以上に仕事力を高め、不可能をも可能にしてくれるのです。 2000社の赤字会社を黒字にした 社長のノート長谷川和廣 著かんき出版_______ 心理的な限界と、本当の限界には、大きく差があると言われています。たとえば5キロ走って「もう無理~、限界」って思った地点と、本当に足がつったりして走れなくなる限界とでは、大きな差があると言い、もちろん本当の限界ははるか先にあるのだそうです。ある雑誌のインタビューでイチロー選手が語っていた目標設定の仕方というものをご紹介いたします。「“目標”って高くし過ぎると絶対にダメなんですよね。必死に頑張っても、その目標に届かなければどうなりますか?諦めたり、挫折感を味わうでしょう。それは、目標の設定ミスなんです。頑張れば何とか手が届くところに目標を設定すればずっと諦めないでいられる。そういう設定の仕方が一番大事だと僕は思います」ちょっと頑張れば届く目標、110%位に設定すると、なんとか達成しようという気になるけど、到底届かない目標だと、やる気そのものがなくなってしまうかもしれません。とくに「人の成長」という視点で見ると、納得できます。いきなり2倍の筋力にはならないので、地道な積み重ねがいかに重要かが分かります。「仕事は楽しいかね?」という本に、こんなお話があります。___「一番難しいのは、常に飛躍を目指すことだ。学校では、人と同じように考え、コツコツ課題をこなすように教え込まれる。そうやって身についた考え方を、今さら変えるわけにはいかない。だったら、そのままやっていけばいいんだ。まず論理的な解決策を見つけ出し、さらにその先まで行く。いい計画を思いついたときは、立ち止まってはいけない。いい計画を思いついたことを喜び、それをいったん脇に置いて自問するんだ。『これをどれだけ素晴らしくできるだろう?』って。それが、具体的な計画を見つけた自分に対するごほうびなんだ。そうすれば、飛躍するチャンスはおのずから訪れる。分かるかい?」「コツコツやって、それから飛躍せよ」「そうさ!100人のうち、たった1人しかコツコツの先までたどり着くことはできない。だから、特別な気分がするだろう。実際、特別なんだからね!これが、特別な人間になる方法なんだ」___稲盛和夫さんは言います。「安易に近道を選ばず、一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねていく。夢を現実に変え、思いを成就させるのは、そういう非凡なる凡人なのです」日々、昨日の自分をちょっとでも超えるように、努力していきたいですね。
※魂が震える話より


