「泣ける話」より 


Fibee 9種のスターターセット


 □三人兄弟の末っ子だったオレ。


オレが小学生だった時に兄貴が高3だった。 


車好きの兄貴は自動車会社に就職したくて大学に行きたかったみたいけど、頭は決してよく無かったので私立の大学にしかいける大学がなった。 


兄貴は親父に大学に行きたいと言ったが、親父は『家には金が無い。残りの兄弟もいるし、我慢してくれ。すまん。』と言った。


影でその話を聞いていた俺は、それまで自分の家が貧乏だと思ってはなかったので驚いた。 


話を承知した兄貴は、肩を揺らして泣いていた。


親父も自分が不甲斐無いのか泣いていた。 


その後、兄貴は高卒で就職した。


数年後、同様に二番目の兄貴も高卒で就職した。 


そして、俺が高3になった時、俺も大学に行きたいと思っていた。 


自分でもいうのはなんだが、学校での成績はかなりいいほうだった。 


しかし、親兄弟には迷惑はかけれないと進学は諦めていた。


迷惑をかけないように、『オレも高校卒業したら就職するから。』って家族にいつも言っていた。 


そんな時、2人の兄貴が『お前は安心して好きな道を歩め。大学に行きたいなら、はっきり言え。オレがどうにかしてやる。お前は頭もいいし、オレの出来なかった夢を叶えてくれ。』と言ってくれた。


嬉しかった。 


大声で泣いた。 


数年後、オレは無事に大学を卒業、兄貴の夢でありオレの夢であった自動車会社に就職することができた。


兄貴は喜んでくれてはいたが、さぞ悔しかっただろうと思う。 


申し訳ないことをしたと思っている。 


面と向かって言うのは照れるので、ここで言わせてもらいたい。 


兄貴、ありがとう。


いつか、最高の車を造るからな。