上甲晃(あきら)氏

一般的には、「ギブ&テイク」と言う。
一つ与えれば、一つ得るといった意味だ。
しかし、一つ与えるものがあれば、一つ得られるなどといった見方には、まだまだ打算がある。
“テイク”即ち、「得る」ことなど全く考えない。それが、「ギブ&ギブ&ギブ」である。
日本語で言えば、「与えて、与えて、与え尽くす」心意気である。
与えっぱなしだから、見返りなど求めない。
それが『志』の第一歩ではないだろうか。
見返りを求めて与える心構えは、人に嫌われる。
人は、“ギブ&ギブ&ギブ"の心を持てば、おのずと不足、不満が出てこなくなる。
「こんなにしてあげたのに」、
「人のことを何だと思っているの」、
「恩知らず」などといった “恨み節”は、与えたものに対する見返りを求めて、得られない不満を表す言葉だ。
私たちは、生まれながらにして大きな宝物を、与えられている。
例えば、この命、この体、命を生かす空気、太陽、大地などなど。
どれほどの宝物を天から無料でいただいていることか。
「与え、与え、与えられて」、今の私がある。
とすれば、人生を通じて、お返しし続けなければならない。
だから、“与えて、与えて、与え尽くす"生き方を心がけようではないか。
不思議なことに、“ギブ&ギブ&ギブ"の生き方が、幸せを与えられる、いちばん得な道なのだ。
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「ギブ・アンド・テイク」は何かをしたとき、何かの見返りを求める、という考え方。
持ちつ持たれつという関係だ。
また、「ギブ・アンド・ギブ」という言葉もある。
相手に見返りを求めず、ただ与え続けることをいう。
自分の「我」を捨てて、ただただ、人に喜んでもらうことをすること。
「おかげさま」の気持ちでする行為だ。
それがまさに、良寛さんのいう、「俺が、俺がの、我(が)を捨てておかげ、おかげの、下(げ)で生きる」。
また、「忘己利他(もうこりた)」という伝教大師最澄(さいちょう)の言葉もある。
自分のことは忘れて、他人のために尽くすことをいう。
与えるものは、モノやお金と思ってしまうが、実は、自分のとっておきの情報や、ノウハウでもいい。
あるいは、「笑顔」
「あたたかい声かけ」
「励まし、元気づける言葉」
「相手の話をじっくり聞く」
等々を与えることが一番相手の琴線に触れる。
とりわけ、相手の話をじっくり聞くことは、一見すると相手に何も与えていないように見える。
だが、実は、相手に「自己重要感」や、「安心感」、「元気」を与えていることに気づく。
また、与えるときには、出し惜しみをせず、ケチケチしないこと。
恩着せがましく与えることほどカッコ悪いことはない。
「ギブ&ギブ&ギブの生き方」という言葉を胸に刻みたい。
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