「五日市 剛さんのメッセージ」

運が強い人とは、他の人といったい何が違うのでしょうか?
それって、先天的なもの?
後天的なもの?
努力すれば得られるもの?
いつの頃か、僕は人の運について真剣に考えるようになりました。
なぜかというと、自分はものすごく幸運に恵まれているからです。
「どうしてオレってこんなに運がいいんだろう!」と毎日十回以上叫んでしまうくらい、ツキのある日常を送っています。
実はあることがきっかけで、僕の運勢は大きく変わりました。
これから、そのちょっぴり不思議な話を紹介させていただきます。
ちょっと御伽話みたいな話ですけど、本当にあった話なのです。
今から十三年ほど前、僕がまだ大学院の学生だった頃のことですが、一ヶ月間イスラエルを貧乏旅行しました。
「中東の取材」が名目でしたが、実はそれまでやっていた研究に行き詰まり、人間関係にもひどく悩み、さらに気性の荒い自分の性格も好きになれず、現実から逃避したい気持ちがあっての一人旅でした。
ある寒い日の夕方、ハイファという港町にバスで着き、さっそく宿探しを始めました。
が、なぜかどこのホテルも休業中。
「そんなバカな」と焦って探しても、開いている宿は一向に見つかりません。
どんどん夜が深まり、寒さも一段と厳しくなってきました。
その日は数十年に一度の大寒波がイスラエルを襲った、とんでもなく寒い日でした。
もし、野宿したら死んでしまいます。
「オレの人生ってここまでかな」・・・そうつぶやきながら、肩をガクッと落とし、トボトボと通りを歩いていると、一人のユダヤ人のおばあさんが話しかけてきました。
「どうしたんですか?顔色が悪いですよ」
そのおばあさんはニコニコしていて、まるで魔女のような風貌。
でも結局、そのおばあさんの家へ泊めてもらうことになりました。
おばあさんの家に着くと、まず、おいしい夕食をごちそうになりました。
その後、おばあさんは電気を消してロウソクを灯し、いろんな興味深い話をしてくれました。
その中で、
「運命というのはね、本当にあるのよ。それに、ツキというのは、実は簡単に手に入るものなのよ」と言ったものですから、「えっ、本当ですか? どうしたら得られるんですか?」と尋ねました。
「あのね、ツキを呼び込む魔法の言葉が二つあってね。一つは『ありがとう』、もう一つは『感謝します』。普段何気なく使っている言葉だけど、使い分けるといいわ。・・・そうね、どんな些細なことでもいいから、いやなことがあったら「ありがとう」。逆に、良いことがあったら「感謝します」何度も繰り返し繰り返し言うのよ。そしたら、絶対にツイてくるわ。本当よ」
また、おばあさんは次のようなことも言いました。
「絶対に人の悪口を言ってはダメ。言えば言うほど、あなたからツキはなくなっていくわ。人の口から発せられる言葉はね、魂を持っているものなの。だからネガティブな言葉を言ってはダメ。「てめえ!」「クソったれ!」「死んじまえ!」などと汚い言葉を平気で使っている人はね、そういう人生を歩むのよ。だから、きれいな言葉を使いなさい」
おばあさんのお話に、僕はとても感激しました。
僕の唯一の取り柄は素直なこと。
だから、この日以来、おばあさんから言われたことをひたすら日々実践しています。
結果は言うまでもありません。
思いっきりツキまくりです。
「オレってどうしてこんなに運が良いのだろう」の毎日となりました。
ある日、「ありがとう」を何気なく漢字で書いてみました。
そうしたら、ナント「有り難う」そうか、やっぱり難が有る時に「ありがとう」か!と、一人で感動してしまいました。
PHP研究所副社長の江口克彦さんは、松下幸之助の『出来事の肯定的解釈』を通して、「運の強さとは、まず自分にふりかかるすべてを「自分は運が強い」と捉えることによって、その人の身につくものではないか」と言っています。
また、日本一のお金持ちである、銀座日本漢方研究所創設者の斉藤一人さんも「ツイてる」と言っていればツイてくる。
逆に「ツイてない」と言っちゃうとツキが逃げてしまう。実に簡単な法則です」と言っています。
「ありがとう」「感謝します」に加えて「ツイてる」「運が良い」も僕は意識して繰り返し言うようになりましたね。
誰に対して言うのか?
喜んで聞いてくれる自分に対してです。
そしたらね、すぐに言うクセがつきました。
クセがついたらこっちのものです。
今の会社で研究部門の課長になったとき、気になる部下が一人いました。
僕よりひと回り年上の係長さん(Aさん)です。
優柔不断で自信もなくて、何やってもうまくいかない人でした。
みんなからもバカにされていましたが、人間的にはとても良い人で僕は好きでした。
そこで、僕のもとに配属になってもらい、彼にちょっとした提案をしてみました。
「ねえ、Aさん、ご自分は運の良い人生を歩んできたと思います?」
「え?・・・そ~うですね。どう考えても、運が良いなんて思えませんね」
「そうか。ひとつお願いがあるんだけどね、毎朝ロッカールームで会うでしょ。そのとき、「ツイてる?」って聞くから、「ツイてます」って応えてくれないかな。帰りも同じく」
「はぁ? どうしてそんなこと言わなきゃいけないんですか?」
・・・Aさんはそう言うものの、上司のお願いだから「しょうがないな」という感じで、一応了解してくれました。
翌日の朝、
「Aさん、おはよう。どう、ツイてる?」
「え? あっ、はい、はい。ツイてますよ」と、少しイヤイヤながらという状態でした。
でもね、毎日毎日やっているとAさんも慣れてきて、「は~い、ツイてますよ~」と楽しく言えるようになったんですね。
さらに、
「今朝、妻がつくってくれた朝ごはん、おいしかったな~」
「今日、業者さん、頼みもしないのに、気の利いた物を持ってきてくれてね」というような感じで、ツイてたことの理由付けができるようになってきました。
そうしたら、彼の身の回りに起こる出来事がどんどん変わってきたのです。
彼が開発担当していた研磨剤で、誰も到達したことのない品質のものができてしまったんです。
それで磨くとものすごくピカピカで、傷が一切ない。
なんと、世界一の素晴らしいデータが出てしまったんです。
会社側も多額の投資を行うことを決定し、彼には優秀な部下が二人も付きました。
その後のことは言うまでもなく、ますますうまくいきましてね。
大口のユーザーからは認定が下り、海外に対して輸出体制も整いました。
世界中に供給すればシェア百%です。
特許は国内外に出願しました。
すべて彼のアイデアと努力の賜物です。
明らかに、一年前の彼とは全然違います。
僕が何かをしてあげたとしたら、「ツイてる?」って聞き続けたことくらいなもんです。もちろん、僕は彼に「ツイてる?」なんて、もう聞いていません。彼は、いつ、どこでも、「ツイてる、ツイてる、ツイてる・・・」が口グセとなり、笑顔が多くなりました。
皆さん、どんな状況に面しても「ありがとう」「感謝します」を連発しましょう。
ツキは少しずつですが、必ずツイてきます。
些細なことでもツイたら、「ツイてる!」を連発しちゃいましょう。
これで人生、マンモス・ハッピーです。」
【五日市 剛 ウィキペディア】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E6%97%A5%E5%B8%82%E5%89%9B


