【得るものを変えたければ、与えるものを変える】


これは間違いなく、真実だと思います。


しかし、与えることばかりを意識してしまって、与えすぎることによって奪っていることを忘れがちです。


とくに、人を育てるときには、気を付けなければなりません。


例えば、エサを与えられて育った動物は、野生に戻ったら自分でエサを得る力を奪われてしまいます。


なんでも与えられて育った子供は、自立する力を奪われてしまいます。


良かれと思って、悲しい経験や苦しい経験をさせないようにする代わりに、喜びや達成感などを奪っているかもしれません。


植物も、水を与えすぎると根が腐ってしまいます。


人間の身体も、栄養を摂り過ぎると肥満になってしまいます。


デンマークの哲学者キルケゴールの「野鴨の哲学」というものをご紹介させていただきます。


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ジーランドの湖に一人の善良な老人が住んでいた。


老人は毎年遠くから飛んでくる野鴨たちに、美味しい餌を与えていた。


野鴨たちにとって、美味しい餌もあり景色もいい。


この湖で過ごす季節は、豊かで健康的で恵まれたものだった。


しかし本来、野生の鴨は渡り鳥だから、ひとつの湖に住みつくことはない。


ある季節を過ごしたあとは、餌を求めて次の湖に飛び立つ習性がある。


ところが鴨たちは、だんだんと考え始めた。


こんなに景色が良くて、こんなに美味しい餌があるのに、何も大変な苦労をして餌を求めて次の湖に飛び立つことはないのではないか。


いっそのことこの湖に住みついてしまえば、毎日が豊かで楽しく健康的で、恵まれているではないかと。


そんなことで、この鴨たちはジーランドの湖に住みつき、羽ばたくことはなかった。


それからの野鴨の生活は、なるほど確かに恵まれていた。


そんなある日、野生の鴨たちに重大な出来事が起きた。


おいしい餌を用意してくれていた老人がとうとう死んでしまったのだ。


明日からの食べるものがなくなった。


野鴨たちは次の湖へ餌を求めて飛び立とうとする。


しかし、どうしたことか、数千キロも飛べるはずの羽の力がまったく無くなって、飛ぶことはおろか駆けることさえも、ろくにできなくなっていた。


さらに不運は続く。


近くにあった高い山からの雪解けの激流が湖に流れ込んできた。


他の鳥や、動物たちはとびたったり丘に駆け上がったりして激流を避けたものの、醜く太ってしまったかつての野鴨たちは、なすすべもなく激流に押し流されてしまった。


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自分がいなくなっても尚、幸せに生きていけるように、時にはグッと耐え、厳しく見守ることが必要な時もありますね♪


「お金をただ与えるだけでは人を堕落させる。努力している人に援助することが本当の慈善である」by アンドリュー・カーネギー(アメリカの実業家・鉄鋼王)


 目的や想いを忘れずに、与えていけたらいいですね♪ 


 ※魂が震える話より




 

 

 

 


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