2012年6月、ブレナ・マーティンさんは高校の卒業式を迎えた。

大人社会への一歩を踏み出すその記念すべき日に、ブレナさんは父親から特別な贈り物をもらった。
ブレナさんの父親はその卒業祝いを準備するのになんと13年もの歳月を費やしていた。
お金では決して買えないその贈り物にブレナさんは大感動。
さらに、この話をネットで知った多くの人々に感動を与えている。
父親は卒業式の日にブレナさんに一冊の絵本を贈った。
『Oh the Places You’ll Go (邦題『きみの行く道』)』という題名のその本は、人生のさまざまな出発のおりに贈られる本として知られている。
ブレナさんは本の表紙を見て喜んだ。「とっても嬉しいわ。
この本、大好きだから」と。
だが、父親は「いや、今その本を開けてみて」と言う。
父親に促され、最初のぺージをめくると、そこには幼稚園の時の先生がブレナさんのために書いたメッセージがぎっしり書きこまれていたのだ。
それを見た瞬間、涙が込み上げてきたとブレナさんはいう。
まだ困惑中のブレナさんに対して、父親は言った。
「幼稚園に入学してから今までの13年間、 毎年、ブレナを教えくれた先生、コーチ、 校長先生全員にブレナのことについて 書いてもらってきたんだよ」
父親はブレナさんが大人への一歩を踏み出す来るべき日のために、この特別な「プロジェクト」を13年もの間ブレナさんに言わずに進めていたのだ。
事の顛末を知ったブレナさんは号泣。
そして、昔の恩師たちが自分のために書いてくれたメッセージを夢中で読み進めた。
本には励まされる、温かい言葉がたくさん溢れていたという。
そして、ブレナさんがこの話をネット上で書き綴ったところ、多くの共感と感動の声が拡がった。
ブレナさんは文章の最後をこう締めくくっている。
「こんなに感動的で、思いのこもった、 懐かしい気持ちになるものをもらって、 本当に驚きました。
この愛情のこもった贈り物を準備してくれた父親をどれだけ愛しているか 言葉にできません」
旅立ちの日に贈られたこの特別な卒業祝いはブレナさんにとって一生の宝物となるにちがいない。


