みやざき中央新聞の、こんな記事にハッとしました。

はとバスの元社長・宮端清次さんが、昭和46年に、当時ソニー会長だった創業者・井深大さんの講演会に参加して、こんな話を聴いたというのです。
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井深さんがソニーの社長だった時、新しくできた工場に一つの問題がありました。
それは、トイレの落書きでした。
いくら社長命令で「落書きをやめなさい」と指示しても、なかなかなくならなかったそうです。
あげくには、「落書きをするな」という落書きまで出たといいます。
3か月が過ぎて諦めかけていた頃のことです。
工場長が電話がかかってきました。
「社長、トイレの落書きがなくなりました」
なんと、トイレ掃除のおばちゃんが、家から蒲鉾の板を持って来て、そこにマジックでこう書いて張り出したのでした。
「落書きをしないでください。ここは私の神聖な職場です」
社長命令でも、工場長の呼びかけでもなくならなかった落書き。
それが、おばちゃんの一言でなくなった。
井深さんは、この話をリーダーシップの取り方について、例としてお話されたそうです。
リーダーシップとは、上から下へという指示とは限らない。
横の関係でも、「あの人の言うことなら聞くよ」という人であれば、リーダーシップは自ずと付いてくるというのです。
それにしても、このおばちゃんはスゴイ。
「神聖な職場」
思わず、シャキッと襟を正さずにはいられませんでした。
