【メーターは1200円だが、運転手は「料金は600円」理由に涙が溢れる】

ある日の仕事中、タクシーに乗った流雲さん。
運転手は、よく話すおじいちゃんだったといいます。
世間話に始まり、不意に人生についての話題になった時のこと…
流雲さんは涙をこらえることができなくなりました。
「亡き妻について語り出す運転手」
運転手さんには、妻がいました。
しかし、突然「腰が痛い」といい出し、病院へ。
すると膵臓がんと診断されてしまいます。
それから1週間で、あっという間に他界…
運転手さんは「何もできなかった」と当時を振り返ります。
うなずきながら話を聞いていた流雲さんに、運転手さんが質問をします。
「その時、何を思ったと思う?」
妻が亡くなる時に何を思ったのか…
若い流雲さんには想像ができません。
「短い人生だったな、とかですか」と答えると、運転手さんは笑いながら、こう答えました。
「まあ、短かったなーとは思ったの。
だけど、1番は死ぬ直前に妻との思い出が走馬灯のように蘇ってきたことだよ。
いままでは忘れてしまっていたことも全部ね。
出会ったころから結婚して、一緒に苦労してきて、死ぬ直前までの思い出が一気に駆け巡ってきたんだ。
結婚したてのころのご飯は本当にヒドかった。何も考えずに残したりもしたよ。
妻はそれを泣きながらこっそり食べていた。
けど、そのご飯が恋しくてねぇ。
いまなら『おかわりはあるか?』と、涙を流しながら喜んで食べる。
『いってらっしゃい』って送り出してくれて、『おかえりなさい』って笑みで迎えてくれて、
洗濯やご飯の支度、掃除とか…
当たり前のことが当たり前じゃなくなった時に、私は空っぽでね。
亡くなる直前に『まだ逝くんじゃない』って伝えたんだよ。」
運転手さんの「まだ逝かないでくれ」という言葉。
それに対し、妻はこう答えたといいます。
「大丈夫ですから。
先にあっちの家で、ご飯も洗濯も済ましてお風呂も沸かしておきますから。
ちゃんとやり残したことがないように。
それが私から、あなたへの仕事です。
ちゃんと仕事をして帰ってきてくださいね。」
この話を聞き、涙をこらえることができなくなった流雲さんは号泣。
すると、運転手さんは人生の先輩として、こんなアドバイスを贈ってくれました。
「 いま、あんたに大切な人がいるかどうかは分からないけど、当たり前だと思ったらいかん。
毎日、恋しいと思って過ごしなさい。
当たり前になると、人は臆病になるから。」
そして、タクシーは目的地に到着。
料金メーターは1200円になっていましたが、運転手さんはこんな粋な対応を見せます。
「タクシー代は600円。
若いあなたには、おっちゃんの意思を継いで生きてもらいたいから、ワリカンだよ。」
この運転手さんとの出会いを「一生忘れることができない」と語る流雲さんは、
一連のエピソードをTwitterに投稿。
すると、多くの人から「感動しました」「若い人に伝えたい」というコメントが殺到しました。
実は、妻がひょっこり乗って来るんじゃないか…
そんな期待をしながらタクシーの運転手をしているという、おじいちゃん。
もしかしたら、おじいちゃんに会いたくなった妻が、
ひょっこり会いに来るというステキなサプライズがあるかも…しれませんね!
※藤わらキッチンさんより
