「自分が成幸したければ、まず目の前の人を成功させる」

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「何のために、今の仕事をしているのか?」という言葉を一度や二度は聞かれたことがあると思います。
さて、あなたご自身の答えはどんなものだったでしょうか?
成幸社長になるための習慣ということは「社会的によいこと」をイメージしますが、それは少し違います。
その答えはいたってシンプルです。
まずは「自我の欲求を満たすため」でいいのです。
改まって「何のために」と聞かれると、社会的によいことや社会のためになることを想像しがちですが、決してそんなことはありません。
「とにかく、社長になりたい」
「お金持ちになりたい」
「自社ビルがほしい」
「大豪邸に住みたい」
「ブランド物の洋服が着たい」
何でもいいのですが、それが現時点のあなたの「何のために」の答えなのです。
最初は、それでいいのです。
まずはそのあなたの自我の欲求のために全身全霊で目の前のことに挑んでいくようにするのです。
そして、その過程で「何のために」は変化していく。
誰もが、その過程の中で気がつくことがあります。
「それを手にすると、どうなるのか」
「それだけではないような気がする」と。
これは、それらを手にしても、何も変わらないということではありません。
その欲求を手にしたときの状態が、あなたに似合っているかどうか、ということです。
似合うということは、見た目の問題ではなく、その人のあり方や生き方のことです。
どれだけお金があり、ブランド物に身を包んで高級車に乗っていたとしても、その車から降りてくるあなたはどんな人でしょう。
すべてのモノが、さり気なく自然にあなたのまわりに存在している感じなのか、それとも、とってつけたようにぎこちない感じなのか、そこが重要なのです。
似合っているか…という表現を使いましたが、結局行き着くところは人間力なのです。
成幸社長のみなさんが、最初から「社会に役立つ夢」や「誰かを応援すること」を目指していたかというと、案外そうではありません。
彼らの多くは、自我の欲求からはじまり、そこに向かって全速力で突っ走っている中で、何かに気づかれるのだと思います。
それが「1人だけで成幸するのは難しいことだ」ということです。
もちろん、自我の欲求を100%捨てるわけではありませんが、それだけではなく、誰かのため、地域のため、業界のため、日本のためと、ご自身の「何のため」に、社会性あるものを追加されているようです。
そして最終的には、自我の欲求が後回しになっている方もいますが、それは決して遠慮ではなく、真に大事なことに気づいているのです。
その大事なこととは、自分が成幸したければ、まず目の前の人を成功させるということです。
そして1人より2人、3人と同じ想いを持った仲間を増やしていこうとすると、その「何のために」が、より社会性のあるものとなっていくのです。
付け加えておきますが、とにかく社会性のある「何のために」を持ちましょうと言っているのではありません。
行動が伴わない、体裁だけがいい「何のために」を持ってきても、成幸社長への道が開かれることはない、ということなのです。
私も、運よく多くの成幸社長とお付き合いをさせていただいていますが、全員が今この瞬間も、全身全霊で目の前のことに挑んでいる方々ばかりです。
だから、みなさんがお互いに協力し合えるのです。
出典:成功する社長が身につけている「52の習慣」 吉井 雅之 同文館出版



