「掃除器のコード」

 -羞汗(しゅうかん)-

相田みつを 


 

電気掃除器を使うたびに
掃除器のコードがなかったら
いいだろうなあ・・・・・と
いつもわたしは思います。 


掃除器は便利だけれど
コードは邪魔で厄介ですね、
コードがからむと
掃除器の自由を拘束します。 


禅のことばに
「万劫(まんごう)ケロケツ」
というのがあります。 


「悟り」のことばにしばられて
かえって身動きできぬことです。


「迷い」の網をぬけて
「悟り」の網をかぶってしまうことです。


迷いの網でも
悟りの網でも
網をかぶったら不自由です。 


宗教や信仰等の知識も
知識のまま頭の中に
いっぱいつまると
その知識に拘束されて
身動きできなくなりますね。


掃除器のコードが
からむたびにわたしは
禅や仏教のことばの片言を
中途半ぱに覚えたりして
行動の伴わない
自分自身を反省し 


 「この掃除器は自分のことだ」


 「これが万却のケロケツか」
と、一人ひそかに
羞しい汗を流しております。


 ※「万却のケロケツ」とは、自由を拘束するもの。「悟り」にしばられて、かえって身動きができぬことをいう。




 


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