あなたは、テリーフォックスという青年をご存知でしょうか。

カナダで超有名な義足のランナーです。  1977年、彼は大学時代、バスケットボール部で活躍していたときにヒザの痛みを訴え、検査した結果、「骨肉腫」という骨のガンであることが判明。

右足を切断せざるをえなくなりました。  

失意のなか、彼は、多くの人がガンに苦しんでいることに「自分に何かできることはないか」と・・・。 

■ 総距離8000km超の過酷なマラソンを決意  そして、1980年4月12日、彼は、ガン研究資金を募るために、ニューファウンドランド州のセント・ジョンズからカナダを横断する「希望のマラソン」(Marathon of Hope)を開始した。  その総距離は、実に8000km以上。(参考までに、日本の北海道から沖縄までの直線距離が3000km程度です)鉄のような固い意志で、バンクーバー島のポートレンフリューを目指し、義足をつけて毎日フルマラソンと同じ42kmを走り続けた。

目標は完走と100万ドルの募金を集めることだった。    

■ テリーの勇気ある行動が世界中に知れ渡る  最初は誰も彼のことを知りませんでしたが、次第にメディアにも取り上げられ、彼は徐々にカナダ中の人たちに知れ渡りました。

そして、カナダ中の人々が一斉に彼を応援し始めました。

しかし、スタートして143日目の9月1日、5,373kmを走ったところで、癌の肺への転移が発覚。

オンタリオ州サンダーベイ付近でマラソンを断念し入院。  

そして、1981年6月28日、テリーは22歳の若さでこの世を去りました。    

■ 死後も奇跡は続く...しかし、テリーの起こした奇跡はここで終わることはありません。  

彼の死後も彼の残した思いは途切れることを知らず、カナダの人々はテリーフォックスの思いを永遠に受け継ぐべく行動を起こします。  

彼が亡くなった同年の1981年の9月に「第一回テリーフォックスラン」が開催され、そこでは350万カナダドル(約7億円)の募金を集め、次第にこの運動は世界中に広まり今では世界各国の58もの国々で彼の意志を受け継ぐ「テリーフォックスラン」が開催されています。  テリーフォックスランは日本でも開催されています。

また、彼のこの行動はカナダ政府も認め、彼は22歳の時にカナダにおける最高の栄誉と言われる「カナダ勲章」を授与されています。    ■ 死後20年以上経過してもカナダNO1のヒーロー  

1999年にはインターネットで行われた「カナダで最も有名なヒーローは誰?」という投票で1位を獲得。  

そして、2005年3月に、彼はカナダコインのデザインになると言う快挙を成し遂げました。

さらには、2001年には、彼の母校であるサイモンフレイザー大学に「テリー・フォックス」像が建てられました。  

テリーが、ガンと闘いながらもガンに苦しむ人々のためにと募金を集めるマラソンを始めて以来、今までで世界中で実に数百億円以上の募金が集まり、そのほぼ全額がガン治療の研究のために費やされ、近年の最先端ガン医療の発展に貢献しています。


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