P71 

食べ物は私たちのエネルギーのもと。そして食べ物をのせる器は、そのエネルギーを補うモノです。このようにエネルギーを補うことを私は「補気」と呼び、大事なモノだと考えています。

補気を持つモノと言えば、器の他に洋服などもそうです。

P76

日常こそ、ちょっと器に贅沢をしてみる。そんな心がけが豊かな暮らしを運んで来てくれます。

私の祖母も「器は、いいモノから縁が欠ける」といって、絶対に上等なモノを使おうとしませんでした。でもそれは逆なのだと思うのです。

いつも安い器を使っていると、ついつい扱いがぞんざいになります。たがら、たまに上等な器を出したときも、上手に扱えず割ってしまうのです。

自分で自分をもてなすことができたらなら、それこそが贅沢な日常ですよね。

P86

私は「服にはエネルギーがある」と思っています。昔はお正月には、下着をすべて新しいモノにあらためました。これは、まっさらなモノから清らかなエネルギーや、新品だからこそ持っているパワーを受け取るためです。

さらに服には時代のエネルギーも備えています。その時代が持つ「気」を含んでいるのです。どんなに好きで大事に取っておいた服でも5年前の服が色褪せて見えるのは、その服が時代のエネルギー放出し切ったからなのです。