前回に続き、奨学生をご紹介します。

ムザファラバードの奨学生はFatain、Fatima姉妹です。





 Fatainちゃん                         
                                                                                   
                                                                                         Fatima ちゃん    

                            
お父さんを地震で亡くし、その後、お母さんを心臓病で喪っています。私たちが初めて会った2007年、
お母さんといっしょにやって来たのはとてもあどけなく、愛らしい女の子たちでした。
2014年、14歳になったFatianちゃんは9年生、しっかりしたお姉さんになりました。生き生きと輝く大きな
目をした妹のFatainちゃんは12歳で7年生、落ち着きが感じられます。2人は英語でメッセージを寄せて
くれました。

                                      Fatainちゃんのメッセージ

      「私たちの生活の必需品を、いただくお金で買うことができます。教育を受けるために
              必要な本や学用品なども買うことができます。 大変な状況にいる私たちをご支援くださり、
             本当に有難うございます。」

                                        Fatimaちゃんのメッセージ

                            

      「いただくお金で学費や食べ物ほか必要なものが買え、生活が楽になります。厳しい生活を
      支えていただき、有難うございます。 みなさまのご親切に感謝しています。」

次は、スルリ・スッチャの奨学生はAmbreenちゃん、7年生、14歳です。

メッセージはウルドゥ語と英語で書いてくれました。

                 (ウルドゥ語から英語に訳してくださったのは東京在住のアリームさんです)

      「こんにちは。
      ご存知のように、私は貧しい家庭の子どもです。でも、勉強が大好きです。家が貧しいので
      いろいろな問題があります。両親は学費が払えません。学費援助をしてくださり、
      ありがとうございます。
      父は脚に障害があり、仕事に就くことができません。そして、母は専業主婦です。
      だから、生活は大変、難しいのです。
      もしこれからも支援を受けることができるなら、私はお医者さんになります。父や母を
      助けたいのです。お医者さんになれば、パキスタンのために何かできると思います。
      ご支援に感謝しています。」

英語のメッセージが続きます。
Ambreenちゃんが好きなテディベヤの歌のようです。

                            Teddy bear Teddy bear turn around
                            Teddy bear Teddy touch the ground
                            Teddy bear Teddy polish your shoes
                            Teddy bear Teddy up to school

Ambreenちゃんは成績優秀な女の子。希望が叶うといいのですが。

UJはできる限りの応援を続けたいと思います。
2月もいよいよ終盤、もうすぐ春ですね!♪

ウジャマー・ジャパン(UJ)の活動もいよいよ最終段階に入ります。
これまでは子どもたち全員を支援してきましたが、2015年度より選ばれた奨学生のみを対象の活動になります。現地スタッフと日本スタッフが話し合って奨学生を選びましたが、さほど難しい作業ではありませんでした。これまで続けてきたインタビューでおおよその見当がついていましたから。その結果、パラス村のシドラ、スルリ・スッチャのアムリーン、ムザファラバードのファティマ、ファタイン姉妹の4名に決定しました。そう、全員、女の子です。その理由は、ご想像のとおり、女の子のほうが教育を受ける機会に恵まれないから、なのです。

では、4人の女の子を改めてご紹介しましょう。
まず、パラス村のシドラちゃん。何度か彼女のことはこのブログに書いてきましたのでご記憶の方もあるかと思います。私たちの前に現れたかわいい8歳のシドラちゃんは、今は16歳のカレッジの1年生、すっかり「女性」になりました。


そのシドラちゃんからメッセージが届いています。ご覧ください。ウルドゥ語から英語に訳してくださったのは、東京在住のアリームさんです。

1)Sidra Akhtar です。今、カレッジの1年生です。勉強が好きです。UJのみなさまから、8年にわたり、奨学金をいただいてきました。いただいたお金で本ほか学校で必要とされるものを買ってきました。みなさまのご支援に感謝します。

私はお医者さんになりたい。でも、なれません。私の住んでいるParas には理系の学科がありません。ですから、先生になろうと思います。それが神様のご意志であれば(註:モスラムの方たちの日常的な表現です)。

私の好きな科目は英語です。勉強が好き!です。それから教職のコースもとっています。
私の学業を支援していただき、本当に有難うございます。

2)Bakakot 地域の一斉テストで、9年生、10年生と連続して1番になりました(註:10年生の後、カレッジに入ります)。これからもしっかり勉強して、また、1番になります。

英語の勉強が好きです。けれど、Paras には英会話のコースがありません。英語が上手だったら、このメッセージを英語で書けたのですが。

                  (成績表)

シドラちゃんの誇る成績は成績表が十分に証明しています。
具体的な将来像を描いているシドラちゃん、UJはこれからも応援を続けます。

2015年をいかがお迎えでしょうか?
新しい年が少しでも明るい年になりますよう。

さて、昨12月に現地の子どもたちをシェール君、サロワールさん、ユーセフの3人が訪問してくれたことはご報告しました。子どもたち全員への給付は今回が最後となり、来年度からは特別奨学生にのみ支給される体制に変わります。1月に入り、最後の子どもリストがどっさり、シェール君から届きました。


 



これまで支援してくださったみなさまに子どもたちが「お礼」のメッセ―ジを書いてくれました。その一部をご覧ください。アラビア文字って美しいですね。右から左に書くアラビア文字と左から右に書く英語のアルファベットを同時に学ぶ子どもたちの能力に脱帽です


 



書類を繰っていくうちに、あるページから目が離せなくなりました。スルリ・スッチャ村のAamir君。13歳で肺炎で亡くなったそうです。リストには「インタビューの受け答えがしっかりしている」と常に記されているAamir君。生きたかったことでしょう…。

Aamir君への給付金は、お香典としてご家族にお渡ししたとのこと、シェール君たちも辛い思いをしたと思います。Aamir君のご冥福をみんなでお祈りしたいと思います。

もうひとり、右手の指を数本、失い、左手を日常に使っているSajid君。牛に噛まれたそうです。イスラム社会では左手は不浄の手。それを日常、使わなければならないSajid君は辛いことでしょうね。

それでも、こんなに美しく文字を書いてくれました。