NHKの『SONGS』という番組に出演されていた『新しい学校のリーダーズ』という女性4人のダンス&ボーカルグループの皆さんから目が離せなくなり最後まで見てしまいました。


武術家の私の眼には実に興味深い点が5点ありました。


1点目


10代でメジャーデビューしながら、2年後には、解約更新をされなかった。


「そうだろうなぁ」と素人なから納得。


武術眼で観ると現在の彼女達と比べ、体軸が弱くて、どこにでもいるダンサー達であり、珍しさしか特徴がないのではと感じました。


魅力、パワー不足では、即戦力が欲しいプロダクションとしては、それ以上、化けることがなかった彼女達との契約更新はしないと判断したのでしょう。


2点目


米国の会社が彼女らを認めて、世界デビュー。


運命学を学生時代に学び、多くの方々の相談で実占を重ねた経験から、運は自分で掴かむ事ができると確信しています。


正確には『引き寄せる』のではなく『引き寄せられます』。日々のたゆまぬ努力や工夫を発信し続けることで、自分の知らないところで運命の扉が開きます。


運命を引き寄せるという表現は、私には傲慢不遜に感じます。


契約を打ち切りられた彼女達は、それでも、心を折られる事なく、日々、自己プロデュースを継続して発信を続けていました。


やはり、運命の神様は、そういう人達が好きなようです。


3点目


体軸の構築、しかも…。


私の指導する合気道は、型や技を通じて、人生の荒波を渡れる丹田と体軸を稽古で構築する点に特長があります。


私がアスリートやパフォーマーの方々を拝見するときは、テクニックだけでなく、まず体軸や丹田を観ています。


10代の頃には、弱くて細い、体軸と呼ぶには不足な彼女達の中心軸が、10年の経過で、しっかり体軸にまで構築されています。


しかも、4人の体軸のレベルが同じレベル❗️


誰か1人でも突出してしまうと分裂して、独立する人が出てくるのが、グループというものです。


体軸とは自主性を強化する機能があります。

これはメリット、デメリット、両面に出ます。


1人1人の体軸は、まだまだ発達の途中ですが、足並みを揃えて構築されているのは、注目に値します。


毛利元就の『三本の矢の教え』を超えた、4本の体軸が融合した結晶が、あの魅力的な比類なきパフォーマンスになっています。


群舞には、型にきちんとはめて込んで個々の個性を消して感動させる群舞や、一人一人の個性が微妙に出ていて面白い群舞があると感じています。


しかし、新しい学校のリーダーズの踊りは全員の個性が全面に出ながら、4人の体軸が共鳴しています。


4点目


柔軟な体軸。


スポーツも踊りも型から入り、体軸を構築して行きます。


わかりやすいのは、クラッシックバレエ。


子供のから、身体の限界までの厳しいレッスンで、自分の身体をバレエの型に合わせて行きます。


するとブレない強い体軸が構築され、安定感のある踊りになります。


ところが、新しい学校のリーダーズの皆さんは、自分達が良いと感じる感覚でダンスの振り付けを自分達でして来ました。


その結果『剛の体軸』ではなく『柔の体軸』が構築されています。


実は武術としての体軸に剛と柔の種類がある事は、あまり知られていません。


それは、型から入り、型を離れる事が出来ない方々が多いからです。


私の場合は運良く、北京の中国武術の老師から、柔の体軸を学び、日本伝統の武術から剛の体軸を学ぶ事が出来ました。


彼女達の場合、柔の体軸により、縦横無尽な振り付けのダンスが次々と生まれているようです。


5点目


柔軟な体軸は、天地のエネルギーを体内に、貫通させます。


香取慎吾氏が彼女達から感じられていたパッション

(情熱)は、強い体軸を通してエネルギーを吸収しているので、身体に強い体軸がある限り、無限です。


剛の体軸は、自己の体内のバランスを整える機能があります。


それに対して柔の体軸は、身体の外の世界のエネルギーを吸収し発散する機能があります。


体内に入ったエネルギーは、手足を通じて放出が可能です。手が4本になる感覚です。


新しい学校のリーダーズの皆さんがダンスをされている時、私には、彼女達が宙に浮いて観えます。


これは武術の極意の一つである『浮き身』です。


余談ですが、既存の合気道の流派に蹴り技はありません。


手足を同等に武器として使う身体運用はありません。


それは、植芝盛平翁が創設した時代は、現代と異なり、蹴り技は、まだまだ特殊な戦闘技術でした。


私が蹴り技のある合気道S.A.にすぐに馴染んで、さらに、新しい蹴り技を含めた合気護身を創作して、生徒さん達に指導伝授できるのは、中国武術の老師の厳しい指導のおかげです。


合気道という武道を通して、丹田や体軸という武術的な機能を構築する指導している人間としては、新しい学校のリーダーズの皆さんはとても興味深い存在です。


武術の他の世界で、これだけ見事な体軸の発達や機能の実例を観る方が出来て、感服しました。


ちなみに、私の中で、体軸アーティストのNo.1は、『クイーン』の『フレディマー・キュリー』氏です。


彼の声は強烈な体軸による、天と地と人の三位が一体になった唯一無二の声です。



余談ですが、音楽の発声ではなく、武術的に体軸を使った強烈な気合いは、人をなぎ倒します。


過去に、かなり無礼な連中がいて、ライオンの咆哮のような気合いをぶつけた事があります。


するとボーリングの球がピンを弾き飛ばすように、バタバタと倒れ、腰を抜かし、這いずりながら退散していきました。


横にいた極真空手を稽古していた後輩は、その光景を見て、信じらない光景に目を丸くして固まっていました。


私が「大山倍達館長の睨み倒しには及ばない」と笑って話すとやっと顔から緊張が解けました。


それでも、あれは手加減をした安全な気合いの使い方だったのです。


かつて、正しい座禅を長年続けて、胆力を練り上げた禅僧の一喝は、相手のはらわたを引きちぎると聞いたのは、事実だろうと、そのとき思った次第でした。


太気拳の創始者の澤井健一氏は御著書の中で、麻雀をしていた時、とても良い牌が来たので、思わずポン‼️と叫んでしまい、対面にいた人が胸を抑えて倒れたと書かれていた記憶があります。


武術家の気合いは、加減をしないと危険です。


新しい学校のリーダズの皆さんが、これから、どこまで体軸を強化していくのか実に楽しみです。


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