中学生の頃に、警察道場で現役警官の方を投げたこともある私は、今でも柔道は好きな武道です。


不思議な縁の重なりで、今は合気道の師範6段となり、武道史に残る流派の師範として、後進の指導と自己研鑽の日々です。 


柔道と合気道は技術的に正反対の術理ですので、残念ながら、合気道の上達に柔道の経験が役立つことはありません。


リアル合気護身として、柔道技を使う暴漢への対応技が使えることで経験を活かしています。


相手の使う技を知っていることは、護身的には有利に立てます。


しかし、講道館の三船久蔵十段だけは別です。


三船十段は、柔道と合気道を見事に自分の中で融合させています。


合気道に柔道を取り入れようとした事例では、富木流合気道が有名ですが、私見ですが、失礼ながら合気道と柔道の融合が不完全です。


富木謙治氏の工夫を見た合気道の開祖の植芝盛平翁が「それは合気道ではない柔道だ‼︎」と激怒したと聞いたことがありますが、それは術理的に理解できます。


合気道に柔道を取り入れることは、とても難しいことです。


柔道経験の長い方が合気道技を掛けると、途中から柔道になってしまう事例をたくさんみています。


「投げられれば良いではないか?」という意見もあるかと思いますが、合気道に柔道を混ぜるということは、アクセルとブレーキを同時に踏み込みことになります。


しかし、柔道に合気道の術理を取り入れることは出来ると、三船十段は見事に証明してくれています。


三船久蔵十段の代名詞である空気投げは、合気道の術理を柔道技に融合させています。 


その結果、脚や腰を使わずに見事な手技として完成しています。


以前、私が三船十段の空気投げを再現しましたが、それは柔道経験がある合気道の師範であるから出来たわけです。


そして三船久蔵十段は柔道の乱取りでも、合気道の高い術理を使っていらっしゃいます。


三船十段と合気道と接点は存じ上げませんが、まさに稀有な天才武道家です。


三船久蔵十段は、身長は160cmもなく、体重は60kgもなかったそうですから、小柄な体で強くなろうとしたら、合気道の術理と同じ術理を体得されたのかも知れません。


合気道の開祖の植芝盛平翁も養神館の塩田剛三館長も同じくらいの小柄な体躯でした。


小柄な人間が自分より大きな相手に勝つには合気道の術理となります。


私は合気道の術理が、本当に実戦的だと、三船十段から、教わった気がしました。


生きていらっしゃる間に、お会いしたかった武道家のお一人です。  


合気道に柔道は取り入れることは無理だと思っていますが、その反対の柔道に合気道を取り入れることは可能だと自ら実証された方ですから。


学生時代に、こういう経験があります。

化学の実験で「A液をB液の試験管に入れて混ぜるべき」なのに、友達とふざけて、教師のその説明を聞いていなかった人間が「B液をA液に混ぜ、急激に発熱」して、「A液の試験管」の底が抜けたことがありました。

合気道と柔道とは、そんな関係のようです。


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