冬の寒さが厳しくなってくると、身体の奥のスイッチが入る。
特に雪などが降ると完全にスイッチが自動的にONになる。
それは、10年間の滝行により、身体が変化してしまったからだ。
真冬の雪が舞う時期に、滝に入り続けると、常人では眠っている体の奥の奥にある特殊な生命力が目覚めてくる。
何年かに一度は、滝壺に死体が浮かぶという真冬の滝場に毎年、数ヶ月間、通い詰めた。
滝行を無意味と断じた人もいるが、その人が滝行をしたとは聞いていない。
経験なき者が安易に批判をすることは、控えるべきだろう。
確かに、猛暑の夏に入る滝行では、厳しさは足りないが。
滝行は単なる苦行ではなく、命の炎を燃やす修行である。
真冬の山道を月明かりで登り、行衣に着替えて、激しく落ちてくる滝に身を任す。
ある年、残念なことに亡くなった方がいた。
滝場の宿坊の堂守さんから、心臓麻痺で亡くなったのは、どこかの大学の空手部の学生だと聞いた。
滝行は、筋肉を鍛えているだけでは出来るものではない。
我々は、滝に入ることを「お滝を頂く」と呼び、敬虔な気持ちで入滝をする。
自然滝は人口の滝と異なり、日により、瀑布の勢いも水の冷たさも変わる。
正確には、時間ごとに変化をする。
滝行で身につけるべきは、大自然と大いなる存在への感謝と謙虚さである。
受け止めて、謙虚になり、そして、自分を見失わないことを身につけるべきだ。
そして、1人で滝行をしていた私は自分との戦いに負けないように克己心が強まった。
辛い、厳しい真冬の滝行、途中でやめても誰にもわからない。
しかし、自分だけは分かってしまう。
弱い自分、狡い自分、という自分の正体が。
今、合気道の師範となり、滝行の経験が生きている。
肉体的にも、そうだが、謙虚に受け止め、和して、自分を見失わない。
まさに、私の滝行は合気を学ぶ修行となっている。
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