金融機関の口座開設を視野にこれまでクラブの会則(規約)をつくってきたのですが、2024年の4月にゆうちょ銀行の口座開設をトライしたところ不備を指摘されたことについて以下の記事を書きました。

前回の記事で、ゆうちょ銀行から指摘された不備な点

1. 会員全員の参加による「総会」の規定がない。

2. 総会に替わるものとして「役員会」があるが、会員の総意を役員が代表する根拠が定められていない。(多数決や過半数の同意などの委任プロセスが不明確)

3. 役員会の成立要件が記載されていない。(例: 役員の3分の2の出席をもって成立する、など)

について、対策として以下の条項の改定を5月の役員会で議決しました。

 

1. 「会員は本会の目的および役員会の決定事項に賛同する」ことを明記し、クラブの方針は総会でなく役員会にて決定すれば足りることとした(第5条)

2.  議案の決議は出席役員の多数決で決することを明記した(第12条5項)

3.  役員会は代表または副代表を含む3名以上の出席により成立することを明記した(第12条2項)

 

これで ゆうちょ銀行の口座開設の審査は合格となるだろうと、6月に改めて口座開設の申請をしました。地元のゆうちょ支店の窓口の職員さんは「ほぼ大丈夫と思います」と受けあってくれたのですが・・・

 

1ヶ月ほどあと我が家に届いた書類は、無情にも「当行の総合的な判断により、口座開設をお受けいたしかねます」との結果となってしまいました。

 

一般に、おおぶ将棋クラブのような地域の趣味のクラブは「任意団体」と呼ばれます。昭和〜平成の時代にかけては、郵便局は地域密着で任意団体の口座を作りやすかったようですが、いつしかゆうちょ銀行では任意団体の口座は開設できなくなり、「人格なき社団」名義でしか口座が開設できなくなっているようでした。この「人格なき社団」、マネーロンダリングの起こり得ない団体であることが厳格に審査されているようで、役員の選任や会員全員の総意がきちんと反映される体制となっているか? 会員が入れ替わっても組織として存続できる体制が整っているか? が厳しくチェックされているようです。提出したチェックシートにはこんな記載がありました。

・多数決の原則が行われていますか。-会長・理事長等の選任、予算・決算の承認等 総会の決議が多数決による旨が、定められていますか。また、実際に行われていますか。

・構成員の変更にかかわらず、団体は存続しますか。-団体の活動が継続している間に、構成員の加入・脱退が行われることが予定されていますか。(会員の資格・除名の定めがありますか)

・代表の選任方法等は、定められていますか。-会長・理事長等が団体の代表者であること、代表の選任方法、権限、職務等が規約で定められていますか。

・総会の運営方法は、定められていますか。-総会の開催、時期、決議事項等について規定はありますか。実際に総会は開催されていますか。

将棋クラブでは会員の多数が小さい子どもさんであることもあり、会員全員の参加する「総会」を厳密に運営することはムリだよなぁ…と感じています。なので当クラブでは役員会で意思決定する仕組みにしたのですが…厳しくチェックすると、多くの趣味のサークルはこの要件を満たすことが難しいのではないかという気がします。

日本将棋連盟関係の送金はゆうちょ銀行の振替になることが多いので、口座を作るならゆうちょ銀行が第一候補だったのですが、残念な結果となってしまいました。過去の収支報告書一式・規約や活動実態を説明するWebページのプリントアウトも用意して万全のつもりでしたが、ゆうちょ銀行での口座開設はとてもハードルが高いのだと実感しました。

 

ゆうちょ銀行ではムリなことがはっきりしてしまいましたが、クラブの運営を安定的なものにするため、金融機関の口座開設はあきらめずにトライしようと思っています。