前々回の記事で、私が立ち上げ・運営する将棋クラブについて、市長への手紙(メール)という手段により要望文を提出し前向きな回答を得られたことを書きました。これだけ見ると順調に要望が実現しつつあると見えるかもしれませんが、実態は異なります。じつは本件については2023年5月から別の手段で要望を伝えることを試みてきましたが、なかなか行政担当者に届かない経験をしています。具体的には中学校部活動の地域移行に関し以下のことをやってきたのですが、数か月にわたってほとんど進捗がありませんでした。

1.市の教育委員会・学校教育課への要望(市のWebページより、5月)
2.学校教育課職員(2名)からのヒヤリング(6月)
3.学校教育課職員への要望再提出(6月)(前回の記事
4.子育てに関心の高い市議さんを通じた意見交換(7月~11月、意見交換が成立してるのは問いかけた3市議のうち一人のみ)

1.はWebページへの投書後1か月は何も応答なく放置されました。
2.は1の1か月後に電話で「話が聞きたい」と市の職員から要請があり、面会が実現したものです。私からみて市の担当職員が地域クラブに対する理解・認識があまりに不足しているために地域移行の進捗が捗々しくないのではと実際の面会で感じたため、面会の翌日に3.(地域団体や事例などの情報提供・地域クラブ公認要件に関する意見等)を提出しましたが5か月経過した時点でも職員からは応答なし(面会した職員名宛てに書いたのですが)。
4.については市議さんのX投稿・ブログ記事のコメントを通じた意見交換から始まり、メールでも5~6往復ていどのやりとりをしましたが、
私→市議→学校教育課職員→市議→私・・・
という伝言ゲーム状態で、部活動に関する基本的な事実認識を共有するのにも手間暇がかかり、とても効率的とは言い難い状況でした。

市議さんは当選すると色々と市政について市の職員から「研修」としてレクチャーを受けるようですが、そうした経験をすると新米市議さんにとって認識のなかった市職員の仕事ぶりに感心してしまい、市政の執行について肯定的な先入観が根付いてしまい、行政の執行に対する市民の批判的な意見について率直に受け止めることができにくくなっているのではないか? と感じます。

大府市では無所属の市議が多数派ですが、市民からみると共産党の市議以外はオール与党で、市政について監視の目を光らせる緊張感にやや欠けた印象があります。定例市議会中継をみてると、一般質問で市長から少しでも前向きな答弁がでると市議さんは大喜びで「活動報告」していて、市政をチェックする立場である一方で市政の進捗を肯定しないと自らの成果もアピールできないことになり、持ちつ持たれつの構図がみえます。市議さんとしては選挙で当選してしまえば市民からの要望を行政に伝えるなんてことは面倒なだけで、本音としては市民の要望なんて受けたくないとの心理も働くのでしょう。

石丸市長で有名な安芸高田市議会のように、市長と議会主流派がことごとく対立し市政が停滞するのも困りものですが、地元の大府市議会を見ていると、オール与党的な市政にも問題がありそうです。

さいわいにも、いまの大府市長はある意味の「リーダーシップ」は発揮できているようです。今回、要望~回答まで1か月あまりで内容のかみ合ったやりとりができたのに対し、上記1.~4.では半年かけてもうまくいっておらず、いち大府市民としては、「何か要望があるなら、大府市は大府市長に伝えるのがもっとも早いよ」との印象を持っています。これは私だけでなく、部活動の地域移行に関わっている複数の知人も同意見でした。

市議さんには市民の声を市政に反映する本来の仕事をきちんと頑張ってほしいと思います。