「多分まったく違うだろうなあ」


先週放送されていた

ザ・ベストハウス123っていう

テレビ番組、見た人います?


クレームについての特集で

僕もやっぱり気になるので(^^ゞ

見ていたんですが

クレームを言う側とクレームを受ける側

立場が違うとまったく異なる

状況になるんだろうな

そんな感じで番組を見ていました。



番組の内容は

強欲クレーマーの末路とか

正しいクレームの付け方とか

まあ、相当ひどいケースが

取り上げられてましたね。


一つのクレームで

何十億という賠償金を取ろうとする

弁護士の悪質クレーマーの例とか。

でもそれって確か

1990年代から2000年ぐらいの

クレームがまだちゃんと理解されていない

アメリカでの、訴訟したら勝てるみたいな

そんな時代のケースでしたね。


それでも実際そういう訴訟があったわけで

クレームもでかくなるとほんとに

手が付けられなくなりますね。


そんな中で

正しいクレームの付け方というのを

エビデンサーというクレーム処理の

専門家(初めて聴きました)が

説明していました。


あるレストランでウエイターが

オーダーの聞き間違いをしたケース

ウエイターの対応が

かなりちゃらんぽらんなものだったので

最後にはお客が怒りだし

大声で店の中で怒鳴ると

エビデンサーさんが「ぶー」

これはいけません・・・・。


番組に出ていたゲストの人達は皆

え~なんで、それいけないの?


何が悪いのかといえば

他のお客さんに聞こえるような

大きな声で怒鳴る場合

「営業妨害」になる可能性も

あるんだそうで・・・・

たしかにそうです。


この場合、もしお客さんが

悪質クレーマーだとして

大声で怒鳴って威圧して

金銭を得ようとか

自分の尊厳を高めようとか

そんなケースで

これは「営業妨害」ですって

言われたら逆に誰も

疑問には思わないんだろうな。


ちょっとこのシーン

脚色してみますね。


お客から見た視点

客 「これ頼んだものと違うんだけど」

ウ 「え、そうですか、これって聞いたんだけどなあ」

客 「そんなこと言ってないよ、聞き違えたんだろう」

ウ 「いや、確かにこれって言いましたよ」

客 「(ムカ)言ってないよ、私を疑うのか?」

ウ 「いえ、そういうわけじゃないですけど~」

客 「さっさと注文したものと交換してもらいたいんだけど」

ウ 「まあ、いいですけど」

客 「ま、いいってどういう意味だ」

ウ 「お客様がそう言うなら、そうしますが、でも~」

客 「でもってなんだっ?」

ウ 「今店混んでますから、時間かかっちゃいますよ」

客 「何いってんだ、そっちの落ち度だろう!」

そしてお客は大声で怒鳴るわけです

「どうなっているんだ、この店は!!店長を呼んでこい!」


これはお客からの視点ですが

今度は店側の視点で脚色します。


客 「これ頼んだものと違うんだけどな」

ウ 「申し訳ございません、すぐに注文を再確認させて頂きます」

客 「さっき聞いただろう、確認しなきゃならないなんて、どういうことだ。」

ウ 「いえ一応念の為ということで、確認させていただけませんか?」

客 「だから、さっき聞いただろう、俺が嘘を付いたっていうのか?」

ウ 「いえ決してそういう訳ではないんですが」

客 「ともかく、すぐに新しいものと交換してくれ」

ウ 「かしこまりました、厨房が混んでいますので、少しお時間を・・」

客 「えっ!俺には時間がないんだ、しかもそっちが間違ったのに」

ウ 「できるだけ急いで作り直すようにしますが」

客 「できるだけじゃないだろう、今すぐにだろう」

ウ 「はい、ですからできるだけ急がせますので・・・」

客 「だからできるだけじゃなく、いますぐだってのがわからないのか」


そしてお客は大声で怒鳴ります。

「どうなっているんだ、この店は!!店長を呼んでこい!」


まったく同じシーンで

まったく同じような会話ですが

お客として経験していることと

お店として経験していることでは

これだけのギャップがあるんですよ。


そして最後の結末はまったく一緒です。


もちろんお店に非がある場合と

お客に非がある場合と

それぞれでしょうけれど

互いがこの状況での「被害者」に

なってしまっていると

相手の「非」にばかり注目していると

これだけニュアンスに違いが生まれる。


きっとお客は店側がひどいといい

店側はお客のクレームがひどいという

そんな状況って言うのは

こんな心理から生み出されているのかも

しれないなって思えました。


言葉は一つなのに

でもそれをどう捉えるか

それによって状況はまったく異なってくる

そのことをクレームを受ける側はもちろん

言う側としてもちゃんと考える

そんな必要があるんだなあと

番組を見ながら再確認したのでした。


クレーム心理学
藍色シアン