インド秘境旅行記・番外編 | ○●ガネーシャの栖〜ヨガとバンスリと〜●○

○●ガネーシャの栖〜ヨガとバンスリと〜●○

お絵描きはちょっと休憩中。
ヨガにぞっこんな毎日。
バンスリを吹いたりして時間を過ごしています。


哲学分野は別ブロクに引っ越しします。
http://blog.livedoor.jp/yukamangalam/

高山病の恐怖

カザに到着した2日後くらいの記録。


なんせ高山病です。

ただ今の標高約3600m。
昨年滞在したゴームクよりも微妙に低いのですが。私の限界のギリギリのところでアウトだったみたいです。

高山病にかかる前日の夜、バスの長旅でこの地に到着したのですが、バスに乗る時にとても強い酔い止めを飲んでいたので、その日は1日麻酔の効いた状態で嘔吐も頭痛もありませんでした。

その代わりに、完全にジャンキー状態。モルヒネなどの麻酔を服用する麻薬中毒者がいますが、完全にその状態でした。
ほとんど動けなくなっていました。誰がみてもヘロヘロにキマったジャンキー。管理地区へ入る時も完全に覚醒状態、軍隊員に怪しまれてたに違いない。と、後で言われました。

ドラック嗜好者じゃない私は、自分の頭が自由に働かない状態が苦痛で苦痛で…。やっぱりノーマルが1番です。

ちなみに、服用薬は田舎の薬屋で買った普通の酔い止め薬、もちろ合法です。一錠5ルピー、10円以下。最初の1時間効かなくて、後で一錠足したらこうなりました。薬の用法用量は守りましょう。インドの薬怖し。


翌朝、起きてすぐに分かる高山病でした。

夜中から、嘔吐と頭痛が酷く、起きては吐いてを繰り返しました。

一緒に旅しているパウリーナや、宿のオーナーのカランがあれこれ面倒みてくれますが。
何をしてもらっても良くならず。

頭がカチ割れて死ぬかと思った。

夕方カランにお願いして公立病院に連れて行ってもらいました。
やっぱりインドの病院好き。

建物に入って、歩いていると、私服姿の爽やかなイケメンがらいて
「どうしたの。」
と聞くので、カランがあれこれ答えていると、そのまま彼と診察室へ。
爽やかなイケメンの正体はドクターでした。分かりにくい。

「君、英語は話せるかい」
この質問で分かる通り、やっぱり日本人は英語が話せない人が多いらしい。
いつの間にか達者になった英語で、あれこれ症状を説明します。これは、ヨガのTTCのアナトミーの効果かも。

「血圧良し、脈正常、肺雑音無し、サチレーション良し。異常見られず。」

「ちょっと待って。先生っ。
私、spO2値が84%なんて聞いたことないです。私の正常値は99%以上ですが。日本の病院なら90%切ったら異常です。」
ところが、高山ではそれが正常らしいです。酸素濃度が、これだけ低いんだから気分も悪くなるわけだ。

「で、君はどうして欲しくてこの病院に来たわけだい。1番の問題は何だい。」
検診しても、結局欲しい治療がもらえるのがインドの病院の良いところ。なのか。

「このままじゃ嘔吐して薬も飲めないので、とりあえず点滴か何かで吐き気を止めて下さい。」
「注射でもいいかい。」
と聞かれて、もちろん承諾。

5分後にはシスターがお尻に痛っい筋肉注射を打ってくれました。色んな意味で効いたー。

その後、1度だけ嘔吐があったものも、夜には吐き気が引いたのであれこれと積まれた薬を飲みました。

せっかく高額の海外旅行保険に入っているのだから、診断書も領収書も集めて全て請求してやろうと思ったのですが。

薬を買いに行ってくれたカランが「薬120ルピーだったから領収書もらわなかったよ。」
まじか。超強い薬が約200円。でも、診察費は?
「あ、病院は公立だからタダ。あれ。50ルピーくらい払うんだっけ。」
絶対に払って無いな。

もう日本に帰りたくない。治療費安すぎるし、病院の待ち時間ゼロだし。

とゆうか、2度と海外旅行保険に入りたくない。
せっかく病気になったので、「すぐに下山の必要性有り」とドクターに書いてもらって、タクシーで帰ってやろうと思ったのですが。
保険会社に電話したら、
「タクシー費用はお支払い出来るか分からないので、診断書と領収書を合わせて提出して頂いてからの審査になります。」
まじか。一瞬本気で死ぬかと思ったくらい辛かったのに。
やっぱり次こそ保険にはもう入らない。病院タダを覚えたし。


とゆうわけで、想像通りにかかった高山病は、ゲストハウスのオーナー、カランと、インド公立病院の素晴らしい対応で、急速に回復しました。

今でも少し歩くと息切れがするのは、この標高では正常範囲内。富士山よりも高い場所で、瞑想とバンスリに明け暮れて、どんどん肺活量が鍛えられています。

もう、富士山登頂なんて1ミリも興味が湧かない。毎年恒例のように、必ず1度は嫌いなはずの高山に来てしまうのは何故だろう。宿命なのか。

次回から山に来る時は、ダイモックスとかいう高山病の薬を飲みながら挑もうと思います。

ちなみに下山時は4550mの峠を越えるのですが。酔い止めとダイモックス一緒に飲んでも大丈夫なのか不安です。
そもそも、帰りたいのに道が塞がって、本気で下山出来ない危機に陥っています。少しでも道が空いたら小型タクシーで急いで下山します。バスは道が開通してから2週間は無理みたいです。

飛行機に乗れなくて帰国出来なかったらシャレにならない。