トルコ旅行まとめ

 

2023年11月25日

 

昨日のギョベクリテペに続き、この日はカラハンテぺにやってきましたルンルン

ギョベクリテペの記事を読んでいただいてからのほうが楽しめるかと)

 

カラハンテぺギョベクリテペの姉妹サイトと言われていて、ギョベクリテペと同じようなT字型の巨石石柱群が出てきている超古代遺跡キラキラ

 

1997年に確認されて、2020-2021年に一時的な発掘調査をして、2023年に本格的な発掘作業が始まったばかり。

 

発掘を始めた当初はギョベクリテペより古いと言われていたけど、調査が進んだ2023年にはギョベクリテペの600年ほど後に作られた紀元前1万1千年頃のものだという説で落ち着いているらしく、被っていた時代もあったみたい。

 

観光客が行けるのかどうか分からなくて、今回の旅行前にガイドのTahaとやり取りしてる時にダメ元で聞いてみたら、なんと「行ける」と言うじゃないのチョキ

 

さてさて。シャンルウルファから1時間、ギョベクリテペから約45キロのところにあるカラハンテぺに到着すると、ちょっとした案内板と小さな駐車場と小屋のようなビジターセンターがあった。

 

 

カラハンテぺは小高い山の上にあって、周りの似たような山々を含めてこの辺り一帯をテクテク山脈(Tek Tek Dağlari)と呼ぶらしい。なんか可愛い響き爆  笑

 

日本のテクテクって言葉と何か関りがあるのかなってテクテクの語源を少し調べてみたけど分からず、、、、

辞書ではテクテクは「ひたすら歩いていくさま」と書いてあった。

トルコ語では「Tek」は「One」で、「Tek Tek」は「One by One」という意味らしい。日本語の一歩一歩歩いていく感じと、古代の人がギョベクリテペ・カラハンテぺ間を歩いただろうって思うと、な~んか関係ありそうなんだよなぁウインク

 

 

カラハンテぺをグーグルマップの航空写真で見るとこんな感じ下差し

丘陵をぐるっと、レーザー調査では約13ヘクタールものエリアに古代遺跡が埋まっているのが分かっているらしい(青い○で囲んだエリア)。

面積にするとギョベクリテペの3倍ほどになるとか。

現在発掘作業が進んでいるのはピンクで囲んだエリアなのでほんの一部しか発掘されていないし、ピンクのエリアでさえまだまだこれから。

 

 

発掘現場を上から見るとこんな感じ。

 

(画像は拝借)

 

さて。駐車場から発掘現場まで、結構な坂道をテクテク歩きます。

薄着だったのでかなり寒かったけど、カラハンテぺに来れた!という感動と、誰一人居ない事にテンションあがってそんなの関係ありません爆  笑

 

 

まず到着したのは、エンクロージャーAAと呼ばれる、上の発掘現場の上空写真の右下部分、一部だけ歩道になっているところ。

 

 

早速なにやらかなり深い穴がチュー

これは水を貯めていたんじゃないかなって思ったけど、後で調べたらやっぱりその意見が多いっぽい。

水を貯めていたとして、その用途は何だったんだろう。

Snake Pit(ヘビ穴)説を唱える研究者もいるみたいだけど、それなら骨が出そうなもんだけど。

 

 

穴の横にあるこれはベンチと言われてるみたい下差し

その下にヘビヘビのレリーフがあるので、やっぱり水に関係ありそう。

ちなみにエンクロージャーAAは夏至に日が沈む方角を向いていて、その時期にこの方角に見える天の川は天に向かって縦になるんだってびっくり

 

 

ベンチの右側には神の使いのキツネのレリーフ下差し

盃状穴もあるし、水を使った儀式をする場所なのかもしれない。

日本の手水やユダヤの手洗いの儀式、キリスト教の洗礼(Baptism)なんかもここにルーツがあったりしてチュー

 

 

その奥には11体のT字型石柱が立つとても不思議なエンクロージャーAB

 

 

ここのT字型石柱ギョベクリテペに比べて一回り小さくて、頭のTの部分も少し小さく丸みを帯びていて、研究者たちの間では男性器を表しているんじゃないかと言う説があるらしい。

 

ヘビは水を象徴するだけでなく、脱皮をして新しい形に生まれ変わる事から再生つまり子孫繁栄の象徴とも捉えられるようで、更にヘビの頭の形を男性器の形になぞらえていると。そう言われればまぁそうなのかなぁ。

 

この写真下差しで右側に人の顔のようなものがあって(黄色の枠)、蛇の体に人間の頭がついた蛇人間が壁から突き出ているように見える。

 

 

蛇人間の良い感じの写真が撮れてなかったので、ネットから拝借下差し

こういう半獣人間(これはヘビだけど)らしき石像やレリーフは他にもこの辺りでボツボツ出ているらしくて、後世でも世界中の神話や壁画で描かれる神や英雄に多いのも面白い。

 

 

 

今年発表されたばかりの論文では、約1万1千年前の冬至の朝日の光が青枠の穴を通ってちょうど蛇人間の顔を照らすように位置付けされているらしいびっくり

もしこのエンクロージャーが当時屋根で覆われていたとしたら、この小窓から入ってくる朝日が石像の顔を照らす様子はさぞ幻想的だっただろうなキラキラ

 

更に、この奥の大広間にある石柱とこの青枠の穴を直線で結んだその先には少し離れた場所にKecili Tepeと呼ばれる未発掘の神殿遺跡があって、その方角の空には当時最も明るい星だったデネブが見えたと。

つまりこの穴は死者の魂が天の川に帰るための通り道だったという、この辺りの考察はギョベクリテペと共通する。

 

 

そしてエンクロージャーABで更に面白いのが、ピンクの枠で囲った溝を使って水を流してこのエンクロージャーに水を張っていた可能性があるというんですびっくり

(この溝はさっきのエンクロージャーAAと繋がってる)

 

この「ヘビの広間」を上空から見ると、まさにヘビの形!

これがまた、1万年以上前からこの土地にいるAnatolian Viperという種類のヘビと形が完全一致するらしいびっくり

 

(上空写真は拝借)

 

そして、その奥にあるのがエンクロージャーADと呼ばれる一際大きな大広間下差し

 

この大広間はT字型石柱とベンチで囲まれていて、それぞれの石柱の向きや周りのエンクロージャーとの位置関係、当時の星座の並びや太陽と月の動きとの関係なんかも、現在学者たちによってどんどん解明されている最中ブルーハーツ

 

 

ここにある穴の1つから人骨が出たらしいんだけど、もしかしたら生贄の習慣があったのかな。それとも重要人物の埋葬?

 

大広間のこの2つのT字型石柱には人型のレリーフが見てとれる下差し

一族の長なのか、信仰対象なのか。今の感覚だといかにも神様って形爆  笑

 

 

右側のものは風化が進んで見難いけど、左側のは少し見やすい下差し

 

このボコボコした穴はヒョウ柄(ヒョウの毛皮で作った服)だという説が濃厚で、キツネやヘビを除けばギョベクリテペでは牡牛のレリーフが多かったのに比べて、カラハンテぺではヒョウのレリーフが多い

(雄牛信仰は後世に残ったけど、失われたヒョウ信仰なんてのもあったのかも?爆  笑

 

トルコにヒョウ?って思ったけど、当時このエリアには今は生息していないヒョウやワニやキリンが居たそうで、狩りで獲った形跡のあるそれらの動物の骨も出ているらしい。

 

 

この大広間は一体何に使われていたんだろうね。

 

直ぐ隣には石の食器や動物の骨が多数見つかったキッチンと呼ばれているエンクロージャーがあって、他に楽器のようなものも見つかってるそうなので、ある研究者はT字型石柱の周りで音楽を奏でて歌って踊っていたんじゃないかって爆  笑

実際、ギョベクリテペやカラハンテぺのエンクロージャーの楕円形の比率が音響効果に関係するっていう研究もされているみたい(!)

 

ギョベクリテペビールが醸造された痕跡があったのでカラハンテぺでもお酒飲んでただろうし、なんなら自然の麻薬成分が含まれた植物を食べたり飲んだりしてサイケデリックな体験をしていたのかもしれない(アヤワスカみたいなシャーマニズム的なやつ)。

 

大広間の周りにはT字型石柱が1つか2つしかない人が1人入れるくらいのかなり小さなエンクロージャーがいくつかあって、それらは瞑想に使われていたのかもしれないという説も。

 

さて、発掘現場の端の方のエンクロージャーで何やら怪しい黒い箱を発見下差し

 

 

Tahaに聞くと、箱の中身は私が訪れるほんの2か月前に発見されたばかりの人型の石像で、今まで世界最古の人型の石像とされていたウルファマンより古い1万1千年前のものらしい。

ちょっと掘り始めただけですぐに世界最古って、これからどうなるの爆  笑

 

で、これがTahaに貰った石像の写真下差しちょっと18禁注意

 

 

見ての通りガッツリ男性器を握っているので、コンサバなトルコではとりあえず覆って隠してるそうで泣き笑い

 

この石像は座っているのに高さが2メートル30センチもあって、等身大だとしたら巨人ということになる。

肋骨らしきものが見えていて(ギョベクリテペのレリーフにも似たようなものがあった)、首元のくっきりしたVウルファマンとそっくり。

ウルファマンと違うのは、がちゃんとあって、髪の毛あごひげまであるところ。も、ウルファマンは黒曜石が埋め込まれていたけどこちらはちゃんと掘られてる。

 

(近くのシャンルウルファで発見されたウルファマン。参考画像)

 

Tahaが言うには、カラハンテぺからそう遠くないSayburcという同じく1万1千年ほど前の古代遺跡でも、男性器を握る人のレリーフが見つかっているらしい下差し

 

(Tahaに貰った写真)

 

両脇にいるのはおそらくヒョウで、これらの猛獣を狩るという事は当時の人類(男性)にとって強さや支配の象徴だったんだろうなと。

 

この辺りでは女性の妊娠や出産を描いたレリーフも出てるので、男性器を握るというのやっぱり繁殖や子孫繁栄を願う意味があったんじゃないかなぁと。

古代から男根崇拝の風習は世界中にあるし、平均寿命が35歳だったと言われているこの時代では子孫繁栄は重要だっただろうね。

 

そういえば、カラハンテぺにはヒョウの石像やレリーフが多いことから、当時の男子はヒョウを狩って初めて一人前とみなされて成人の儀式が行われていたんじゃないかって唱える研究者もいた。

上手く写真に撮れてなかったけど狩ったヒョウを担いでいる人間のような石像もあったし、蛇の脱皮=成人への変化ともとれて、面白い説だと思うニコニコ

 

次、こちらのエンクロージャーAH下差しのT字型石柱にはギョベクリテペのエンクロージャーDにあった擬人化の装飾とそっくりな人の腕のようなものが描かれているんだけど、これが色々と物議をかもしだしていて。

 

 

なんと、両手にそれぞれ指が8本あるんですびっくり

 

 

これを巡って様々な論争が出ていて。

ただ単に適当なだけって人もいれば、超古代には指の数が5本じゃない人間が普通にいたんじゃないかって人もいたり。

 

もちろん宇宙人説(アヌンナキの子孫説)も忘れてはいけませんUFO

旧約聖書に6本指の巨人が登場していてそれは神の子と人間のハイブリッド(ネフィルム)だという記述があるらしいけど、それとは別に世界各地で6本指の巨人の伝承が残っているとのこと。

 

ギョベクリテペやカラハンテぺからずっと後の古代遺跡にも6本指の絵や彫刻がたくさんあって、少し調べただけでもヨルダンやイラクなどの中東諸国はもちろんエジプト・マルタ・メキシコ・オーストラリア・イースター島など広範囲で、そのほとんどが神や英雄の姿。

 

こうなるとカラハンテぺで出土したのが8本指なのが更に不思議だけど、超古代には8本指の種族もいたのかもしれないし、神格化して少々大げさにしちゃったのかもしれない。

神の子と人間のハイブリット説でいけば指が多いほど神のDNAが濃いとか?爆  笑

これより何千年も後、大洪水の後に人類に知恵や技術を伝えたとしてあちこちで神話に残っているのが6本指の巨人族だったのかもしれない。ふふふ。

 

現在でも稀に指が多く産まれる多指症というケースが2000人に一人ほどの割合であるらしくて、インドやアメリカ先住民では古代から指の多い子供を神の子として祀る風習があるのも面白い照れ

 

そういえば、先ほどのSayburcという遺跡のレリーフの左側には武器のようなものを持った男性と牡牛のレリーフが見つかっていて、この男性の指も6本あるらしい下差し

 

(Tahaに貰った写真)


 

Sayburcの話が出たついでに。

 

ギョベクリテペカラハンテぺのあるこの地域一帯はストーンヒルズ(Taş Tepeler)と呼ばれていて、Sayburcの他にも現在分かっているだけで40の超古代遺跡が確認されてるんですびっくり

 

(写真は拝借)

 

これら40のサイトにはT字型石柱があるものも多く、既にギョベクリテペより古いと発表された小さな遺跡もいくつかあって。

今のところギョベクリテペの石像が一番大きくレリーフも多いという事で、あれだけのものをいきなり作ったとは考えにくいので、それ以前に造られた神殿とまでは呼べない小規模なものが周辺にあっても少しもおかしくはない。

 

ギョベクリテペより少し後の時代と思われる遺跡には小さな集落(住居跡)や初期農業の跡、さらには羊の家畜化の形跡も見つかっていて、これはこの時代がまさに狩猟採集社会から農耕社会に移っていく変動の時期だったということ。

ストーンヒルズにある遺跡のうち12のサイトの発掘作業を進めるプロジェクトが去年発表されているので、今後の発見が楽しみすぎるチュー

 

これらの遺跡はチグリス・ユーフラテス川の肥沃な三日月地帯(Fertile Crescent)と綺麗に重なっているので、もしかしたらギョベクリテペからシュメール文明までの空白の約5千年の謎も明かされる日がくるかも爆  笑

 

そもそも文明の定義って何だろうね。

文字がないといけないのかな?

ギョベクリテペカラハンテぺも既に高度な天文学の知識と建築の技術が証明されているし、社会的で信仰もある。これはもう文明と呼んでいいのではないの?

Taş Tepelerの人達に文明と民族の名前を、せめて時代の名称をあげて欲しい(笑)

 

 

 

話をカラハンテぺに戻して、、、

 

Tahaが「え?こんなところを通っていいの?笑い泣き」って場所までどんどん進んでいくので隅々まで歩いて近くで観察音符

 

 

まだまだ掘りかけのT字型石柱がゴロゴロあって、先ほど述べた小さなエンクロージャーも。

 

 

この丸いの上差しは煙突か天井の出入り口だって説が今のところ有力らしい。

屋根が木や植物で作られていたら1万年も経てば跡形もないだろうし。

 

 

私が行ったのは冬で発掘シーズンが終わってあちこちに保護シートがかけられてたんだけど、これはTahaに貰ったシートがかけられてない状態の写真下差し

偶然にも同じアングル(笑)

この下にどんな発見があるんだろうと思うとワクワクが止まらんねぇラブ

 

 

まだ発掘が始まっていない広大なエリアにもあちこちにT字型の石柱の頭がポコポコと顔を出していて、その数ざっと250個!

その上を歩いて普通に触れたラブ

 

 

そのうちここもどんどん発掘が進んで、世界遺産になって、ドームで覆われたり柵や歩道ができたりするんだろうなぁ。

こんな風に上を歩いたり触ったりなんて贅沢な事、今しかできないチュー

 

 

カラハンテぺの麓の方には集落(住居跡)があるのではと言われていて、もしかしたらお墓とかも出てくるかもしれない。

何十年かかるか分からないけど、今後世界の歴史の常識をひっくり返すような発見があるに違いない。

ほんとまだまだ未知の世界キラキラ
私が若かったら今から勉強して発掘チームに加わりたいわ。掘るで~グラサン

 

 

石を採掘したとされる山の方には羊の群れが。

 

 

カラハンテぺを後にするときも羊だらけでした爆  笑

 

 

 

今回もロマンが止まりませんでした笑い泣き

シーズンオフのカラハンテぺを独り占めできた貴重な体験だった。

 

追記:最近観たNetflixAnchient Apocalypse(太古からの啓示)というグラハムハンコックさんのシリーズ、ギョベクリテペもこの後に行ったマルタの巨石遺跡も出てきて面白かったグッ