「藪茗荷 やぶみょうが」を生けました。


 場所は松鈴庵の玄関の間です。
ここには床の間は有りませんから置き床を持ってきました。

 花入れは「南蛮鬼の腕 なんばんおにのうで」です。

 南蛮とは

 呂宋 (るそん フィリピン) 

安南 (あんなん ベトナム) 

高砂 (たかさご 台湾)

 琉球 (りゅうきゅう 沖縄)
を指します。

 南蛮は中華思想で野蛮な地方と言う意味を含んでいますが、茶の世界では珍重されてきました。 

 琉球の鬼の腕は形も様々ですがこの花入れはふっくらとして古い部類になると思います。

 琉球は薩摩藩の支配に有りましたから島民は武器は持たず刀の代りにこの硬い土器をもって武器にいたという所から鬼の腕と云われたようです。 

 花は藪茗荷です
食用になる茗荷とは別種です。秋になると黒い実がなります。

 香合は中国 前漢土器「香盆 こうぼん」です。 

画は扇子に「巳」です。



 神奈川県伊勢原市大山 松鈴庵にて。