◯転がりて益子の壺や寒来たる  
          秀樹 


 広島の倉敷の大原美術館に行ったことがあります。
40年前です。 

そこでは「濱田庄司展」が開催されていました。

濱田は栃木県益子の作家です。
人間国宝です。


 私は20代の時から年に一度は神奈川県伊勢原市から益子に通っていました。

益子の各ギャラリーでは必ず目立つウインドウに濱田作品が飾ってありました。 


でも私は濱田庄司の作品に魅力を感じませんでした。
そのへんの農家の土間に転がっている生活雑器と同じだと思っていました。


 でも広島の大原美術館で見た濱田の作品に心打たれました。

 一つの壺の肩のなだらかな形は素晴らしかったのです。


 私は頭を誰かに殴られたのようでした。 






 茶色の壺。誰が見ても台所に転がっているような色。
「民藝運動」ですね。

最近濱田の作品を手に入れました。
次の茶会には皆さんに見ていただけると思います。