短歌行 「はなに鳥」の巻 捌(さばき)二上貴夫 連衆十名

発句 人は人恋の姿やはな    
   に鳥 宝井其角
脇  地球は山や川は永き
   日  二上貴夫
第三 歓談の干鱈裂くには
   太目にて 前田明水
   
   酒なみなみと手作り    
   の猪口  中尾美琳
   
   月あかり轆轤台蹴る  
   右足に 小巻この葉
   
   彷徨のはて蛇穴に入  
   る   桑野コワシ
   
   種採りの賑やか声あ  
   ちらより
        中澤柚果   
   
   褌姿君はイケメン       
       佐野典比古
   
   あやふやな言葉使い 
   に少し惚れ 相原秀 
   
   万葉人は蕗のとうみ
   そ    伊丹 博
   
   シヤシンス実習室の 
   窓もう少し 桑野コ
   ワシ

   波打ち寄せる磯の口
   開け  佐野典比古
   
   笑みたたえ弥生の埴
   輪矛がまえ 前田明 
   水
   
   あすの養生今日の往
   生    中尾美琳

   さりとても僧の隠語 
   の鰹節  中尾美琳

   よくはわからぬ写真
   三枚   二上貴夫

   玉三郎三味線かかえ 
   喜瀬川似 小巻この
   葉

   冬の友禅瑠璃立羽蝶  
   なり  桑野コワシ
   
   霜の月殿にいる俳諧  
   師   二上貴夫

   やがて言葉はゾルか
   らゲルへ 桑野コワ
   シ

   地下室のあなたをて
   らすテールライト         
      小巻この葉

   やけぼっくいに煙た
   つだけ  伊丹 博

   あとさきをちりぬる
   花と世は変わり
       相原 秀

挙句 風やわらかに渡る山
   稜    前田明水

昨日の連句の様子です
やはり難しい 二上貴夫先生のリードです
私が良く分からないまま説明は出来ないのですが
普通の句会より和気あいあいで楽しい時間でした
句会だと 自分の句に票が入るのかどうか内心ドキドキしますが
連句の俳諧は一句ごと皆さんが意見を言われますので和やかです

宝井其角(たからいきかく)は芭蕉の一番弟子で伊勢原市の正行寺に墓が有ります
其角を偲ぶ晋翁忌が行われそのまま皆様は大山の「大山現代の美術館」にて連句が開催されました

芭蕉は俳諧(れんく)を好み明治になって発句のような俳句が独り立ちをしていったのか今の俳句と言えるようです
なおそれぞれの俳句の関連はゆるい繋がりと理解しています