インヒアレント・ヴァイス | makoのブログ

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インヒアレント・ヴァイス

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
主演:ホアキン・フェニックス

•オーウェン・ウィルソン
•キャサリン・ウォーターストーン



「この事件の先に"愛"はあるのか?」
予告編を観た時にこの言葉が頭に刺さって離れなかった。
実際に観て、この問いに対する私の考えは「多分、ある」だと思う。

物語はヒッピーが彩る1970年代のLAが舞台。主人公であるヒッピー探偵のドックが元カノからの事件の依頼を受けることで事態が思わぬ方向へと進んでいく。
この話の中で注目したい点は「警察の腐敗(社会の問題)」と「恋と愛(個人間の問題)」の二点が重層的に描かれているところにあると思う。正直、前者は難しくて一回の視聴だけでは理解出来なかったけれど、後者についてはとても面白いと思った。

そもそも、タイトルの「インヒアレント・ヴァイス」には「物事に内在する欠陥」という意味があるという。例えば、チョコレートは溶けるし、ガラスは割れるというように。劇中にて「元カノのインヒアレント・ヴァイスとは?」という問いがあった。果たしてなんだろうと思った。セックスだろうか と思った。
実際に、物語後半でドックと元カノはセックスをする。だけど、さらにその奥にある「感情」が物語の鍵だと思った。

心理学的に、「恋が愛に変わる様は、相手の為にした行為の数に比例する」というのを聞いたことがある。まさにこの映画では、ドックは元カノを想って事件を解決しようとしていた。

元カノが、「どうしてもなぜか想い出す 二人だけの思い出がある」と言ったのが印象的であった。それは、雨の中2人で、麻薬を求めて取引場所まで走っていく思い出である。2人ははしゃいでいて、麻薬が手に入る喜びから本当に幸せそうであった。シチュエーションとしてはロマンティックでは全く無いのに、どうしてそんなに想い出すのか。多分、二人の喜びが欲求の満たされる部分で一致した瞬間であったからだと思う。それを共感し合えたのだから、とっても嬉しくて幸せだったと思う。

映画の最後で、事態が収束した後の車の中2人はお互いの思いを口にする。その中に、私は愛への可能性を感じた。