パズル 17 | chihiroの気まぐれブログ・これからも嵐と共に

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2021年1月。嵐さんの休業を機に、妄想小説を書き始めました。
主役は智くんで、メンバーも誰かしら登場します。ラブ系は苦手なので書けませんが、興味のある方はお立ち寄りください。

 

 

潤が雅紀の訪問へ行った日は、カズの時以上に1日中落ち着かなかった。

 

カメが一緒なので無事に着くだろうけど、その後の展開が想像つかない。

 

 

潤からは頻繁にLINEが入って無事に雅紀が預けられているおじさんの家に着いた所までは

わかったけど、その後LINEが途切れた。

 

カメは本当におじさんと会えたのかな。

おじさんから確認の電話も来ないし、潤にLINEをしても既読にさえならない。

 

何の音沙汰もなく2時間が過ぎてさすがに心配になっていた時に雅紀本人からLINEが来た。

 

「潤たちに余計な事をさせないで。カメくんまで来るなんてどういうこと?」

 

「雅紀と連絡が取れないから心配だったんだ。元気なの?」

 

「サト兄さんが俺の事を心配なんてするの?俺達の事を捨てたんだよ。

 おまけに俺だけこんな遠くに行かされて潤は髪まで染めて貰っているのに

 やっぱり潤は可愛いんでしょう。どうでもいい俺の事なんて放って置いて」

 

「わかったよ。確かにお前の言う通りかもな。

 3人は無事に帰れるんだろうな」

 

「俺が何かしたと思ってるの?」

 

「さあ、今の雅紀の事は全くわからないからね」

 

 

雅紀の様子が変なのは感じていたので、こっちもわざと冷たく返事をした。

もしかしたらおじさんがこれを見ている可能性もある。

 

このLINEも本当に本人が打っているのかさえ不明だ。

 

 

それっきり雅紀からのLINEは途切れた。

俺は途端に不安に襲われた。

カメたちは大丈夫だろうか。やっぱり他人を巻き込むべきではなかった。

 

でも、雅紀は悪い事が出来る奴ではない。

あいつが関わっているなら大丈夫だ。

 

 

このLINEは本当に雅紀が打ったものだろうか?

LINEを見返してみて、ふと気が付いた。

今時の子に多い句読点の少ない文章。おじさんからもLINEやメールは貰うけど、

年配の人特有の句読点がやたらに多い。

 

それとサト兄さんと言う呼び方。

下二人は何処でもサト兄ちゃんと呼ぶけど、雅紀は兄弟の間だけ。

 

 

そんな事を考えると、これは雅紀が書いたLINEで間違いないような気がする。

だとしたら3人も安全だろう。

 

雅紀のLINEの内容はたいして問題ではない。

どんな事を言われようとも、嫌われようとも元気ならば俺はそれで良い。

 

 

それから1時間くらいして潤からLINEが入った。

 

「今、帰って来た」

 

帰って来たんだ。ふ~っと肩の力が抜けた。

 

今日は余計な事は聞かない。

 

「良かった。お疲れさま。今日はゆっくり寝るんだよ」

 

 

カメと斗真からもLINEが入った。

 

いずれにも『ありがとう。お疲れさま」とだけ返した。

 

どちらも既読は付いたけど返信はなかった。

 

でも今日はそれで良い。

 

 

雅紀との連絡はこれからは俺と翔の二人で動こう。

潤の兄弟訪問もカズの所だけでやめさせる。

 

雅紀のLINEを読んでみて例えおじさんに見られながら書いたとしても、

本心は混ざっているだろうとは思っていた。

 

難しい年頃だ。おじさん達にも俺の悪口でも吹き込まれているかもしれない。

それを信じているかもしれない。

俺のファッションやアクセサリー、仕事などに一番文句を付けるのもあのおじさんだ。

俺の事を忘れさせて自分の味方に付けさせるつもりなら何でも言うだろう。

 

でも、おじさんの事を信じて俺を悪者に思っているならむしろ安全だ。

おじさんの味方に付いていれば嫌がらせはされないだろう。

 

 

後は翔にも相談して、時間をかけてじっくりと雅紀の様子は調べていこう。

多分、翔は翔で動いている筈だ。

 

上二人がバラバラの状態が良くない。

 

弟たちの事に関しては協力してやって行くしかないだろう。