続・付き人奮闘記 50 | chihiroの気まぐれブログ・これからも嵐と共に

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2021年1月。嵐さんの休業を機に、妄想小説を書き始めました。
主役は智くんで、メンバーも誰かしら登場します。ラブ系は苦手なので書けませんが、興味のある方はお立ち寄りください。

 

 

 

圭吾を探しにとりあえず家に行ってみたら、マンションの前に翼がいた。

 

「圭吾、帰っているよ」

 

「翼、どうして圭吾の家を知ってたの」

 

「俺のマンション、この裏」

 

「え?あ、本当だ」

 

この辺はマンションが多い。

見る位置によって分からなくなることがある。

 

 

「いつから知ってたの?」

 

「ここに越してきた時から。たまに一緒に飲むこともあるよ」

 

「慎吾と?」

 

「少し落ち込んでいた時にたまたまマンションの前で会って誘ってくれたんだ。

 少し大野さんと雰囲気が似ている。ただ黙って聞いてくれて良い人だったよ

 それ以来、たまに誘ってくれるし、俺の方から誘う事もあるよ」

 

「翼」

 

「俺は例え大事な後輩でも人の噂より、自分の直感を信じる。

 町田さんは悪い人じゃない。兄さんとの不仲説が例えあったとしても、

 そんなのは俺には関係ない。俺にとっては大事な飲み仲間」

 

 

何の迷いもなくそう言い切る翼が頼もしかった。

 

それにしても、慎吾も何も言わないんだから……。

まあ、プライベートに何をしようと自由だと言われそうだな。

 

 

「ちょっと圭吾の顔を見て来るよ」

 

「俺はさっき電話で少し話したから今日は帰るよ。

 それと隼人のフォローも頼むね」

 

「わかってるよ。じゃあ翼、ありがとうな」

 

「うん。兄さんもこんな争いは望んでいないと思う。俺で良ければいくらでも協力するから」

 

すっかり頼もしくなった翼と別れて圭吾のマンションへ向かう。

 

チャイムを鳴らすと直ぐに開けてくれた。

エレベーターに乗って部屋へ向かう。玄関の前で圭吾が待っていた。

 

 

「翼さんと会った?」

 

「下で会って来たよ」

 

「翼さんとお父さんが飲み仲間だなんて知らなかった」

 

「聞いた事ないんだ」

 

「お父さん、友達の話は殆どしないから。特に芸能界の友達は……」

 

「圭吾、隼人のことは謝る。ゴメン。今度、必ず本人からも謝らせるから」

 

「良いよ。どうせそう思っている人は多いんでしょう」

 

「どうせと言う言葉は使うな。人がどう思おうが関係ないだろう。

 圭吾自身がお父さんをどう思っているかだよ。自分の見ている父親だけを信じれば良い」

 

「大野さんは信じてるの?お父さんのこと…」

 

「信じてるよ。それでなければ息子を預かりはしない。

 和馬も慎吾も俺にとっては大事な同期だからね」

 

「ありがとう。俺も信じる」

 

 

「慎吾はいつ帰ってくるの?」

 

「予定だと明日かな」

 

「そうか…。じゃあ仕事の話はお父さんが帰ってからだね。

 その方が圭吾もやりやすいだろう」

 

多分、既に潤が慎吾に電話して詳しい話を聞いている可能性もあるけど、

とりあえずは帰ってきてからだ。

 

その前に隼人との仲を修復させないとな。

 

「じゃあ圭吾。俺はこれで帰るから気を付けろよ」

 

「うん。大丈夫」

 

 

慎吾は圭吾が小学生の時に離婚して圭吾と二人で暮らしている。

日中はお手伝いさんが来てくれるらしいけど、留守の多い仕事だけに寂しいだろうな。

早く圭吾も寂しさを忘れるくらい忙しくなれば良いなぁ。

親と同じ仕事を選んだのは、そういうのもあるのかな。

 

 

さて、一番の問題の隼人の家に向かう。

大好きな翼にまで暴言を吐いて、せっかく貰ったパーカーまで返すなんてやる事が少し異常だ。全く知らない和馬の事でそこまで怒るのも何だかおかしい。

もしかして理由は別にあるのかな。

 

隼人の家の近くまで来てLINEをする。

 

「隼人、今家にいる?」

 

「うん」

 

「じゃあ、ちょっと行くね」

 

「待って。今日はダメ。友達が来てるんだ」

 

「わかった。じゃあ、明日は朝から収録だからね」

 

「うん」

 

 

友達か……。

 

なんとなくだけど女の子だろうなと言う気がした。

気分が滅入って女友達でも呼んだ?

それなら良いけど、その辺で声をかけたり、かけられたりしてないだろうな。

 

翼と比べると隼人は少しチャラい所がある。

今のところ女性問題はないけど、今騒がれたら大変だ。注意して貰わないとな。

 

 

あ、本当に家にいるのかな?

上を見上げたけどわかる筈もない。

 

 

諦めて車に乗り込んで家に向かった。