山梨:動物快適に 初の専門員 | トピックス

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2026年6月6日 読売新聞オンライン

 

遊亀動物園・伊藤さんUターン親しんだ園へ 

 甲府市遊亀公園付属動物園(同市太田町、改修中)に今年度、動物たちの過ごしやすい環境作りなどに携わる3人の「動物専門員」が初めて配属された。このうちの1人・伊藤光世さん(25)(甲府市在住)は、子どもの頃から同園に通っていたといい、「憧れの場所」にUターン転職した。「多くの人に楽しんでもらえる場所にできるよう努力したい」と意気込んでいる。(山岸愛花梨)

 

ポニーに餌やりをする伊藤さん(4月21日、甲府市で)

 

「デリケートな部分があるので、自分で居場所を選択できるように工夫しています」

 

 4月21日、園内の飼育エリアで、担当するポニーのメーデーを眺めながら、笑顔で話した。音に敏感でデリケートな部分があるといい、放飼場と寝室を隔てる扉を、開けるようにしている。各地で動物福祉(アニマルウェルフェア)の意識が高まる中、園内の動物にもこうした配慮が必要になってきているという。

 

 現在は休園中だが、ロバやミニチュアホースなどの世話や園内のライオンの行動に関する研究の準備に追われているという。

 

 甲斐市出身の伊藤さんは、幼い頃から毎年のように同園を訪れており、園内でウサギやモルモットと直接ふれあったことが、動物好きとなるきっかけになったという。

 

 2020年には信州大学農学部に進学。牛やブタなどの畜産系の動物の行動などについて学んだ後、卒業後はペット関係の会社に就職し、埼玉県内で働いていたが、ある日、甲府市が「動物専門員」を募集していることを知ったという。

 

 

 市が昨年度から募集を始めた動物専門員は、アニマルウェルフェアの考えに基づき、園内の動物たちが快適に過ごせる環境作りに力を入れることが最大の仕事だ。

 

 自分が慣れ親しんだ動物園。しかも、リニューアルオープンに向けて改修中と知り、「注目されるふるさとの動物園で働きたい」と考え、すぐに応募した伊藤さん。40人以上の応募者の中から、見事に合格を勝ち取った。

 

 伊藤さんら専門員3人は、知識を生かして飼育環境を野生での暮らしにできるだけ近づける「環境エンリッチメント」の計画立案などに携わっていくほか、来園者への動物の解説プログラムを作成したり、動物の生態調査を行ったりしていくという。

 

 伊藤さん自身も、子供たちに動物とのふれあいについての注意点などを伝える資料の作成や、イベントの企画に興味があるといい、「園内の動物たちを『この子はこういう性格の子』だとしっかり判断して、性格に合わせた居心地の良い環境を作りたい」と話した。

 

「歴史ある園より良く」 

共に配属の2人

 伊藤さんと共に動物専門員になった2人も、市遊亀公園付属動物園のリニューアルオープンに向けて、日々、動物たちと触れあっている。
 
 広島県出身の江口凪さん(26)は、大学で野生動物について学び、以前は都内の動物園で飼育員をしていた。甲府の園がリニューアルオープンすることを知り、「今までの経験を生かせる」と応募した。
 
動物の世話をする江口さん
 
 大学で海洋生物について学んだというのは京都府出身の笹山歴大さん(23)。「環境エンリッチメント」の効果が見えやすいと考えて、同園で働くことを決めたという。動物と人間の関わる環境問題などを来園者に解説する仕事に携わるつもりだ。「長い歴史がある動物園で市民の注目度もある。動物園をより良く変えていきたい」と力を込めた。
 
「動物園をより良く変えたい」と話す笹山さん