人・動物・環境の健康一体に 奄美型「ワンヘルス」を考える 地域医療シンポ | トピックス

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2026年2月2日 南海日日新聞社

 

 鹿児島県奄美大島の医療の現状と課題を検討する「第2回奄美地域医療シンポジウム」が1日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。「ワンきゃヘルスをゆらうディ!」と冠し、人、動物、環境の健康を一体と捉える「ワンヘルス」に焦点を当てた意見発表などがあり、多分野連携による持続可能な地域医療や、島だからこそ実現できる「奄美型ワンヘルス」のあり方について議論した。

 

「ワンヘルス」をテーマに開催した第2回奄美地域医療シンポジウム=1日、鹿児島県奄美市名瀬(奄美の南海日日新聞)

 

  ワンヘルスとは、野生動物やペット、それらを取り巻く自然環境が健全であることで、人の健康も維持できるという考え方。シンポジウムは、県立大島病院、鹿児島大学病院地域医療支援センター、奄美市の共催。人材不足などの課題を抱える離島医療において、多職種間の「化学反応」を促し、地域一丸で健康を守る意識を啓発することを目的に開催された。

 

  冒頭、県立大島病院総合診療科の森田喜紀部長は、人獣共通感染症の現状を報告。薬剤耐性菌の検出率に施設間で差があることを示し、医療分野を超えた対策を説いた。基調講演では駒澤大学の須山聡教授が、地理学の視点から「健康なシマづくり」を提唱。車に頼りすぎない都市整備が、個人の努力に頼らない一次予防として機能するとの見解を示した。

 

  後半の討論では、医師、獣医師、弁護士らが登壇。気候変動による熱中症リスクや高齢者のペット飼育といった、社会・環境の変化が健康に及ぼす課題を共有。地域企業の参画を踏まえた「奄美型ワンヘルス推進チーム」の設立と、継続的な活動の必要性を確認した。

 

  鹿児島大学病院の嶽﨑俊郎地域医療支援センター長は、多分野の視点を取り入れた今回のシンポジウムでの足場作りを評価。「今後の活動には住民の力が不可欠であり、積極的な提案が大きな力になる」と強調した。

 

 会場2階では6日まで、地域医療の取り組みを紹介するポスター展(入場無料)を開催している。