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2025年8月20日 読売新聞オンライン

 

 普段は家庭で飼育され、事件が起きた際に県警の捜査に協力する犬がいる。訓練と審査を経て選ばれた「嘱託警察犬」で、青森県警八戸署は今年度、管内で27頭を任命した。かつて保護犬だったコーギーも嘱託を受け、嘱託書交付式でりりしい表情を見せた。(稲葉りお)

 

 7月下旬、同署で行われた交付式には、初めて警察犬に合格したコーギーの「もも」(6歳、メス)など4頭と、指導手ら16人が出席。鎌田行剛署長から嘱託書を受けとった。

 

 ももの飼い主で指導手の小笠原恵美子さん(47)は5年ほど前、保護犬だったももと出会った。体が弱く、かみ癖があり、初めて犬を飼う小笠原さんには不向きだと言われたが、「一緒に走る夢を見た」と運命を感じて引き取った。

 

警察犬の嘱託書交付式で出番を待つ「もも」と小笠原さん(7月、八戸署で)

 

 「おすわり」「待て」。家庭犬としての しつけ のために訓練所に通い始めたところ、訓練士から警察犬を目指すよう勧められた。「保護犬出身のももでも、人の役に立てると知ってほしい」と、小笠原さんはももとの挑戦を決心した。

 

 警察犬としての技能は、一朝一夕には身につかない。臭いをたどって対象を捜す「足跡追及」などの訓練を4年にわたって続けるうちに、ももの体は丈夫になっていた。小笠原さんも、続く訓練に何度もくじけそうになったが、ももの頑張りを励みに、指導手としての落ち着きや技術を身につけていった。

 

 ももは今年6月、2度目の審査で警察犬に合格。小笠原さんは「泣きそうなくらいうれしい。これからも一緒に頑張りたい」とももとの活躍を誓っている。

 

 同署によると特に近年は、高齢で認知症の行方不明者を捜索する場面で、警察犬の必要性が増しているという。もものような小型犬は散歩を装いやすく、住宅街などの捜索で周囲に威圧感を与えなくてすむのが特長だ。

 

 警察犬としての任期は来年6月末まで。鎌田署長は「複雑化する犯罪や行方不明者の捜索では初動が大事。『鼻の捜査官』として活躍してほしい」と期待を寄せている。