2025年3月8日 Newsweek
<愛犬と父を亡くし絶望の中にいた私を救ったのは、12歳の保護犬だった>
フロリダ州マイアミに住む女性が、わずか数カ月の間に大切な存在を2人失った後、シニアの保護犬によって「救われた」という。この犬は、彼女にとって「2人の天使たち」から贈られた存在だと感じているという。
父と愛犬を失った私が救ったはずの犬に、救われた話(写真はイメージです) Jeff Vanderspank-Unsplash
TikTokユーザー@kristentbrownが3月1日に投稿した動画によると、彼女は最近、地元の保護施設を訪れ「最も長く滞在している犬を」と頼み、12歳のジャッキー・リンを引き取ったという。
27歳のクリステン・ブラウンさんは本誌に対し、昨年11月に飼い犬の1匹を脳腫瘍で亡くしたことを語った。その犬は8月から手術と放射線治療を受けていた。
「その時、私と婚約者はいつかまた新しい子を迎えると決めていたけれど、愛犬を失った悲しみを乗り越える時間が必要だった。でも、その後、さらなる悲劇が起こった」
「新年を迎えた1月10日、私はある電話を受け、最悪の悪夢が現実になった。父が自ら命を絶ったの」
深い悲しみの中で、ブラウンさんは「今こそ新しい命に愛を注ぎ、共に癒される時だ」と感じ、保護施設へ向かった。そして、ジャッキー・リンと出会った。
「ジャッキー・リンは、2匹の天使たち...亡くなった愛犬ルナと父が私の元へ送ってくれたの」
ブラウンさんによると、ジャッキー・リンは「賢くて、かわいくて、面白い女の子」。もともと彼女の前の飼い主が亡くなり、その家族が引き取りを拒否したことで、保護施設に入ったという。
「彼女は3カ月間も施設にいた。そして私が引き取る2週間後には、安楽死させられる予定だったの。多くの人は私がジャッキーを救ったと言うけれど、実際に救われたのは私たちの方だった。彼女は私たちに再び光と笑い、そして愛を与えてくれた」
しかし、ジャッキー・リンを迎えた後も試練は続いた。彼女の脚には腫瘍があり、気管支炎を患い、1年以上も治療されていなかったひどい耳の感染症のせいで耳の穴が完全にふさがっていた。
「それでも、私はこの子を迎えると決めていた。彼女には十分な価値があるし、そんな問題があっても、私が引き取ることをやめる理由にはならなかった」
幸いにも、耳の感染症は治まり、脚の腫瘍も良性の脂肪腫であることが判明。さらに、吸入器を使うことで気管支炎の症状も大きく改善された。今では、まるで子犬のように元気に兄弟犬たちと飛び回るほど、充実した日々を送っている。
「ジャッキー・リンは、多くの人にシニア犬の素晴らしさを知ってほしいって思わせてくれる存在。彼らは子犬や若い犬と同じくらい...いや、それ以上に素晴らしいんだから!」
犬のしこり=がんとは限らない
犬の体にしこりを見つけると、多くの飼い主はがんを疑うが、必ずしも悪性とは限らない。PetMDのブリタニー・クレジンスキー博士によると、犬のしこりには嚢胞、イボ、腫瘍、膿瘍、皮膚タグ、さらにはアレルギー反応や注射の影響によるものもあるという。
がん性のしこりは見た目もさまざまだが、一般的に以下の特徴を持つことが多い。
不規則な形状
急速な成長
潰瘍化した部分がある
異常な色合い
周囲の毛が抜けている
体の組織と癒着している
また、Knutsford Veterinary Surgeryのウェブサイトによると、犬が病気かもしれないサインとして著しい体重減少、慢性的な嘔吐や下痢、倦怠感や無気力などが挙げられている。
愛犬ががんなのか、別の病気なのかを確かめる唯一の方法は、獣医師の診察を受けることだ。
感動の物語に反響続々
ブラウンさんが投稿したTikTok動画はSNSで瞬く間に拡散し、現在までに290万回以上再生され、64万9300件の「いいね!」を獲得している。
動画のコメント欄には、シニア犬の魅力に共感する声が次々と寄せられた。
Stephmansoさんは「この話を聞いて、私はもうボロボロになった。世界中のシニア犬を引き取って、彼らにたくさんの愛を注ぎたい」とコメント。
Asheeeeeeezie.xoさんは「シニアペットを迎える人たちは、この世の天使そのもの。あなたは本当に素晴らしい人よ」と称賛した。
Karina Romeroさんは「彼女の性格がどんどん輝きを増しているのがわかる」と感動を伝えた。
ジャッキー・リンとブラウンさんの出会いは、まさに運命だったのかもしれない。シニア犬だからこそ与えられる愛と絆の深さが、多くの人の心を動かしている。