野良ネコを増やさないTNR活動 足りない手術費用をクラウドファンディング | トピックス

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2025年3月1日 BSS山陰放送

 

飼い主がいない野良ネコ。 時に愛らしいしぐさで通りかかる人を和ませてくれることもあります。 

しかし、その数が増えすぎれば、地域に住む人たちにとっては悩みの種ともなります。 

そんな問題を少しでも解決しようと活動をしている団体が鳥取県米子市にあります。

 

山陰放送(山陰放送)

 

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動物の不妊・去勢手術を行うスペイクリニック。 

米子市でネコのTNR活動を行っている団体「にゃんこのお家」が2022年に開院しました。 

 

TNR活動とは、Trap(トラップ)・Neuter(ニュウター)・Return(リターン)の頭文字をとった言葉で、野良ネコを捕獲し、避妊手術を行って、元の場所に戻す活動のことを言います。 

 

にゃんこのお家 生林美鈴さん 

「不妊手術をするので、子ネコが産まれなくなります。子ネコを産まさないことによって増やさないということです。」 

 

実は鳥取県西部は野良ネコに関する相談が多く、年間800件以上あります。 

 

そこで生林さんは、野良ネコを保護して飼い主を見つける活動を始めました。 

しかし、一向に野良ネコの減らない現状から、5年ほど前から繁殖を防ぐためのTNR活動を始めました。 

 

そして、いま課題となっているのが1匹当たり1万円ほどかかる避妊のための「手術費」です。 

 

米子市には「飼い主のいない猫の 不妊去勢費用の一部補助」という制度がありますが、今年度の予算は260万円まで。 

こちらのスペイクリニックだけでも 年間400匹以上の避妊手術をしていて、とても足りません。 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「大体10月ぐらいには(助成金が)なくなってしまうので、あとは皆さん実費でされたりとか、あとボランティアが持ち出ししたりして手術しているんですけども」 

 

そこでにゃんこのお家ではクラウドファンディングでの寄付を呼び掛けることにしました。 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「野良ネコの不妊手術費用を200匹分集めようというふうに頑張ってます。」 

 

ふじい動物病院 藤井浩平院長 

「本当に自分の身を削ってこの活動されてるんで、地域のために、あと猫のためにされてるっていうことで少しでも皆さんのお力を貸していただけるんであればお願いしたいですね。」

 

動物病院の藤井院長はにゃんこのお家の活動に賛同し、スペイクリニックのための土地を無料で貸しています。 

もちろんスペイクリニックでの手術を依頼されることもあります。 

 

ふじい動物病院 藤井浩平院長 

「地道な活動なんですよ。地道な活動っていうのは、あまり表に出ない。(そういう活動が)実際そういう建物があって、目に見える形で公になるってことはすごく世間の皆様にもそういう活動が周知されていくってことですごくいいなと思いましたね。」 

 

生林さんはこの日、雪が降る中、TNRの活動のため出かけました。 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「ここが相談のあった場所です」 

「16匹いたらしいんですが、今は7匹くらいになっているんじゃないかという話です。糞尿被害がひどくって、それで苦情からの相談が入りました」 

 

付近を見渡し、痕跡を探します。 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「ちょっとあるかな、歩いた跡が。ちょっとありますね」 

 

雪の上には猫のものと思われる足跡が。 捜索を続けていると… 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「あ、いた。多分メスです」 

 

野良猫の姿が。 

しかし、すぐに人の気配に気づき、 隠れてしまいました。 

そこで、専用の檻を使い、捕獲を試みます。 

 

離れて待つこと数分… 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「入った」

 

無事、捕獲することができました。 

 

この日の活動はすんなりといきましたが、捕獲活動は2時間、3時間と待つことも多いと言います。 

 

にゃんこのお家 生林美鈴代表 

「夜中だろうと何時間でも早朝だったり、待たないといけないので、怖い時もありますけど、でもこれでこの子からは生まれることはなくなるので、それがやりがいですね」 

 

人とネコが共に幸せに暮らしていくため、生林さん達の地道な活動は続きます。