2025年1月17日 熊本日日新聞
熊本県宇城市の熊本県動物愛護センター「アニマルフレンズ熊本」の猫の収容率が、100%を超えている。昨年10月から多頭飼育崩壊による保護が相次ぎ、家庭への譲渡数を上回っているため。センターでは平日に譲渡相談を随時受け付けており、「猫を飼いたい人は足を運んでほしい」と呼びかけている。
熊本県動物愛護センターで保護された猫たち=14日、宇城市(熊本日日新聞)
センターには猫80匹が収容可能だが、12月上旬に3月の開設以降初めて定数を超えた。1月10日までに23匹を保護したが、緊急譲渡会などで家庭に引き取られたのは18匹だった。
さらに2件の多頭飼育崩壊が起き、15日には8匹を保護された。現在、保護されているのは96匹。収容室のほか、会議や研修用の多目的スペースにケージを増やしてしのいでいる。
センターによると、猫の多頭飼育崩壊は近年増加傾向にある。2024年度は12月末時点で4件発生し、計69匹を保護した。原因は飼い主の病気や生活困窮、社会的孤立など。
ほかに保健所が把握している事案も複数あり、飼い主に雄雌のすみ分けや避妊去勢手術の徹底を指導。また、民生委員ら福祉関係者との連携を強化し、早期発見につなげたいとしている。
県は「殺処分ゼロ」を目指しており、センターは収容定数を超過しても処分はしない。譲渡に力を入れており、2~4週間のお試し飼育も実施。初めて飼う人は不安を和らげることができ、既に飼育している人は相性を確認できる。これまで猫39匹で実施し、28匹が譲渡につながった。
毎月第3日曜に譲渡会を開いている。次回は19日午前10時~正午。譲渡会は事前申し込み不要だが、平日の相談は電話予約が必要。センター☎0964(27)8115。(清島理紗)