2024年11月29日 読売新聞オンライン
北島で講演
「証拠残して通報を」
「動物への虐待を見かけた時どうすべきか」を考える講演会が、北島町で開かれた。NPO法人「どうぶつ弁護団」(兵庫県伊丹市)理事長で弁護士の細川敦史さん(48)らが「できるだけ証拠を残して通報を」と訴えた。
動物虐待を止める方法を説明する(左から)細川さん、小池さん(北島町で)
町民らによる「県の動物について考える会実行委員会」が、16日に開催。細川さんは動物虐待事件で、弁護士や獣医師らがボランティアで捜査機関に告発したり、行政に処分・指導を求めたりしている同法人の活動を説明した。
警察庁のまとめでは、動物の遺棄、ネグレクト、殺傷などの検挙数は昨年、過去最多の181件に上った。細川さんは「見過ごすと人の生活環境も悪化するほか、神戸市児童連続殺傷事件などのように、大きな犯罪の予兆を見落とすことにもなる」と指摘した。
保護団体の活動もあって動物愛護管理法は次第に厳罰化され、2020年6月からは殺傷した場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金となった。それでも裏付けが難しく、事件化されにくいのが現状という。細川さんは「警察や行政が動くには、できるだけ虐待の証拠を残すことが不可欠」と強調した。
このほか、猫の保護活動にも取り組む京都市の会社「ねこから目線。」代表の小池英梨子さん(34)が、猫が空気銃で撃たれたり、針金わなを仕掛けられたりした事例を紹介。「見つけた場合、急いで助けたいのはわかるが、ぜひ写真や動画を撮って」と呼びかけた。