リードを固定され『6年間半径1mしか動けなかった犬』保護の様子に「よく頑張った」涙が止まりません | トピックス

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2024年9月10日 ほ・とせなNEWS

 

約6年間“半径1メートルの世界”しか知らなかった一匹のワンちゃん。外の世界を知るまでの軌跡が、YouTubeで注目を集めています。

 

  【実際の写真18枚】保護される前とされるときの様子(@animals_jpさんより提供) 

 

あにまるず(@animals_jp)さんが、ワンちゃんを保護するまでの様子をとらえた動画を投稿すると「6年間よく頑張って生きてくれたね」「感動して涙が止まりませんでした」「6年間耐えた分だけ幸せになりますように」といったコメントが寄せられ反響を呼んでいます。投稿者のあにまるずさんに、ジョンくんについて詳しい話を伺いました。

リードを固定され、同じ場所で過ごしていたジョンくん

動画の冒頭に映っているのは、草が生い茂る小屋のそばで座り込むワンちゃん。不安げな表情でこちらを見つめているのは“ジョンくん”という男の子です。 

 

以前は老夫婦と暮らしていたジョンくんでしたが、施設への入所・他界といったご夫婦の事情から、一人ぼっちで暮らすことになってしまったそう。そんなジョンくんの姿を目にした近所の方は、ジョンくんにご飯をあげていました。しかし「もう保健所に預ける」という話も出ていたこともあり、近所の方があにまるずさんのもとへ相談してくれたのだといいます。 

 

相談を受けて、ジョンくんのもとを訪れたあにまるずさん。初対面の様子を聞くと「毛がボサボサでガリガリで、かなり警戒した様子で汚れてしまっていたリードと首輪に繋がれたかわいそうな犬でした」と教えてくれました。

 

さらにジョンくんは、足を中心に筋肉も退化していたといいます。 「連絡をいただいたその日にすぐ、まずは状況を把握しようというような気持ちで見にいったら、緊急性が高いことに気づきました」と振り返るあにまるずさん。しかし飼い主さんが近くにいるわけでもなく、その場での保護は難しい状況でした。 

 

猛暑の中、リードと綱でつながれた状態で過ごしていたジョンくん。ジョンくんが置かれた環境について、あにまるずさんは「言葉を選ばずにいうと劣悪だなと思いました」と明かします。続けて「近所の人が日陰を作ってくれていましたが、リードがくいで刺さっていて遠くにもいけない状態。ジョンくんは体が半分埋まるくらいの穴をほっていて、その穴に入って暑さを凌いでいるような様子も伺えました」と話してくれました。 

 

長期間、不自由な環境で過ごしていたであろうジョンくん。草が生い茂った納屋の光景は非常に印象的ですが、近所の方が定期的に掃除をしてくれていたおかげで、ジョンくんの周囲は清潔に保たれていたといいます。

ジョンくんとコミュニケーションをとってみると…

状況を確認したあにまるずさんは、噛まれる覚悟でジョンくんとコミュニケーションをとってみます。するとジョンくんは「ニコッ」と愛らしい笑顔を見せてくれたのでした。素敵な笑顔からは、ジョンくんの優しい性格がうかがえます。 

 

「笑ってくれたと思い、驚きました!こんな顔できるんだとほっとしました」と安堵したというあにまるずさん。 

「すごい甘えん坊で散歩大好き、おやつ大好き、元々6年前までは大切に飼われていたんじゃないかな?ってのがすごく伝わってきます」とも話します。 

 

当時、ジョンくんの警戒心をほどくために、長い時間をかけてコミュニケーションをはかりました。あにまるずさんは「動画で飛ばした部分に関しては、かなり時間をかけて人間が大丈夫だよってことを伝えてました。やはり6年という歳月はジョンくんを人間不信にさせてしまってもおかしくないものだったので」といいます。 

 

時折しっぽを振りながら、近づいてくるジョンくん。優しく語り掛けるあにまるずさんに対して、徐々に警戒心が薄れてきたのでしょうか。 

 

しばらくするとあにまるずさんは、ジョンくんを迎える準備をするために、一度その場を離れようとします。 

「また来るからね」と優しく語り掛けると、驚くことにジョンくんは「ワン!」と吠えてくれたのでした。近所の方によると、ジョンくんは普段吠えることはなかったそう。そんなジョンくんに対して、あにまるずさんは「すぐに迎えに行かなきゃ」という気持ちになったといいます。

改めてジョンくんのもとへ

病院に連れて行く準備等を整え、ジョンくんを迎えに行ったあにまるずさん。再開したときの様子について「前回とは違いすぐに認識してくれたみたいで手がかからなかったです。受け入れてくれている気がしました」と教えてくれました。 

 

病院に連れて行くために、頑丈に固定されたリードの綱を切断。安全に配慮し、2人がかりで作業します。 

 

無事に縄が切断されると“見えていたのに触れられなかった景色”に出会えたジョンくん。 

「行ってみたかったんだ!」と言わんばかりに走り出す様子に、心を動かされます。 

 

その後、ジョンくんに負担がかからないように、時間をかけてクレートへ誘導。無事に保護し、ジョンくんとともに病院へと向かったのでした。 

 

病院に行ってからは、手術などを経て投薬治療を控えているというジョンくん。あにまるずさんは現在の様子について「手術をしてからは、軽快に動くし、ご飯もよく食べていて、筋肉は足りないけど、普通の犬に見えます。徐々に安定した生活をおくることができています」と教えてくれました。

 

保護されるまでの様子を目にした人々からは「こんな長い間繋がれてたのに、優しい目をしてる。本当に優しい子なんだよね」「ジョンくん、幸せになってね」「縄が切れたとき、自然と涙が溢れてきました」といったコメントが寄せられています。 

 

あにまるずさんたちに出会い、6年間の生活に終止符を打ったジョンくん。きっと今後は、幸せいっぱいの日々が待っていることでしょう。