八王子が災害時のペット支援 ヤマザキ動物看護大と協定 一時保護や避難所でのケア | トピックス

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2024年6月5日 東京新聞

 

協定を締結した初宿市長(左から3人目)、山崎学長(同4人目)と学生たち=いずれも八王子市で

 

 東京都八王子市とヤマザキ動物看護大(同市南大沢)は4日、災害時に被災者のペットを支援する協定を締結した。災害時のペット保護や避難所でのケア支援などに取り組む。(昆野夏子)

 

 協定では、八王子市内で地震や風水害などの災害が発生した際、家から逃げ出してしまった犬や猫などのペットを大学で一時保護するとした。また、避難所ではペット同伴の被災者に対し、飼育方法や環境に慣らすためのアドバイスをするほか、ペットフードやトイレシートなどの支援物資の配布なども想定している。

 

 同大で開かれた締結式に出席した初宿和夫市長は「災害時に『自宅にペットを残して離れられない』という市民もいる。今回の協定は、これからの安心安全につながり、市民にとって大きな支えになる」と感謝した。

 

大学内で犬のグルーミングを見学する初宿市長(右)

 

 山崎薫学長は「ペットは人生のパートナー。ペットについての災害時の危機管理を授業で教えているので、市の役に立ちたい」と話した。今後、飼い主に災害時の備えを教える講演会を開くなど、平時の啓発活動でも連携を進めたい考えも示した。

 

 同大は国内で唯一、動物看護学部のある4年制の大学として2010年に開学した。動物医療などの現場で活躍する人材を育成している。式の後、初宿市長は学内の設備を視察。爬虫(はちゅう)類や鳥類用の施設や、ペットのグルーミング(毛づくろい)の様子などを見学した。

 

 能登半島地震では避難所でペットの受け入れ態勢が十分ではなく、被災者が車中泊を余儀なくされるケースが相次ぐなど、近年の被災地ではペット対応の重要性が高まっている。