迷子になったり捨てられたりして保護された犬や猫たちが収容されている県動物愛護センターのいま【徳島 | トピックス

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2024年3月28日 四国放送

 

 

徳島県神山町の県動物愛護センターには、迷子になったり捨てられたりして保護された犬や猫たちが収容されています。

ある一定の数は殺処分される運命にある動物たちですが、以前に比べ殺処分の数は減ったと言われます。

県動物愛護センターを訪ねました。

(職員)
「(Q.ここが収容棟?)収容された動物は、いったん全てここに収容される」

神山町にある県動物愛護センターです。

 

ここでは、職員らが捕獲した犬、警察に届けられた迷い犬などが、一時収容されています。

犬はここで飼い主を探す間、一定期間収容されます。

飼い主が現れない場合は、健康チェックや人との相性などを確認しながら、新たな譲渡先を探すことになります。

2022年度にセンターに収容された犬は765頭です。

2012年には1797頭が収容されていたので、この10年間で半分以下にまで減りました。

動物愛護の機運の高まりや、保護団体などの努力で減少したと見られています。

しかし収容棟にいる犬の多くには、誰かに飼われていたことを示す首輪がついていました。
 

(職員)
「こちらにの子は首輪をしていたので、飼い犬だったと思われる」

飼い主の迎えを待っているのか、すぐに我々にも寄ってくる犬もいました。

(記者)
「めちゃめちゃ人懐っこいですね、この子も飼い犬ですよね」

(職員)
「一般の人から迷子の犬がうろついていると、警察が収容した」

2022年度に収容された765頭の犬の半数近く、約300頭が飼い犬と見られています。

このうち飼い主に返還されたのは113頭、残された犬は健康状態や人への攻撃性がないかなどを確認され、人と暮らすことに問題ないと判断されると譲渡対象として里親を探すことになります。
 

しかしそれ以外の犬については、殺処分の対象となります。

県では2021年から助けられる命の殺処分はゼロとなったとしていますが、実際は今でも人への攻撃性や病気を持った犬など、年間200頭前後が殺処分されています。

(職員)
「収容期間の中でどれだけ人に慣れてくるかを見るのですが、やはりどうしても、なかなか慣れないという子は難しい部分もある。(Q.ここにいる子はどういう犬ですか?)この子たちは譲渡の適正があると判断されて、一般の人に譲渡募集している子犬たちです。(Q.割と小さい犬ですが)そうですね。(Q.もともと子犬で拾われた?)野犬が産んだ子たちがほとんどです」

県内で後を絶たないのが、野犬の問題です。

こちらのセンターに収容される犬の半数以上が野犬です。

 

(職員)
「野犬の成犬たちが子犬たちを産んで、それが繰り返される、繁殖が繰り返される。(Q.一向にさまよう野犬が減らない?)そうです」

職員らは、なかなか人に懐かない野犬へ懸命にトレーニングを繰り返し、なんとか新しい家族のもとで暮らせるように努力しています。

(職員)
「(Q.トレーニングは大変ですね)そうですね。最初はもうびびって固まるだけだったけれど、きょうはちょっと、1mや2mを尻尾を振って歩けたかも。きょうは手から(食事)を食べてくれた。きょう尻尾ふるようになった、感動があるかと思う。大丈夫よ」

時間はかかりますが、少しずつ人間に心を開くたび犬たちの表情が変わっていくといいます。

しかし、人の身勝手で捨てられる飼い犬が増えると、野犬のトレーニングにかけられる手間が少なくなります。

 

収容する犬の数が増えれば増えるほど、救えない命もまた増える運命にあります。

(職員)
「幼いころから動物が非常に好きだったので、愛護センターに収容される犬や猫の命を助けられるためにどういったことができるのか」

もともと動物が好きな職員たちは、どうにかして動物たちの命を繋ごうと懸命に努力をしています。

「人と犬と猫が、かけがえのない存在でいられるような取り組みをしていきたいなと思う」

言葉のないあなたに代わって伝えたい、その犬たちは心を持った命です。