2023年8月28日 タウンニュース
全国の保健所や動物愛護センターで殺処分される予定の犬を引き取り、里親を探すドッグシェルターとして茅ヶ崎市内で唯一活動しているのが、湘南ワンレーベン(古知屋友里代表理事)。同団体では「不幸な命を減らしたい」と、新たな飼い主への教育を徹底。地域での啓発活動にも力を入れる。
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神奈川県内では10年連続で犬の「殺処分ゼロ」を達成した一方、全国では2739匹もの犬が殺処分されているという(2021年4月1日〜22年3月31日/環境省統計資料より)。
現在ワンレーベンで保護している約30頭の犬は、その中でも殺処分数が多いという山口県や香川県、沖縄県などから保護された。保護ボランティアのネットワークを通じて、「命のリミット」がついた犬のために古知屋代表が全国を飛び回り保護している。
シェルターとなっているのは古知屋さんの自宅。毎朝6時に起床し、ボランティアとともに散歩や餌やり、掃除、ブラッシングなど保護犬中心の生活を送る。ペットシーツなど1日で45リットルのごみ袋がいっぱいになり、餌は1月で100kgにもなる。
保護してきた犬は多くが元野犬で、シェルター入所時は極度の人間不信から人を怖がり、壁際などでうずくまっていることがほとんど。だが、古知屋代表をはじめボランティアの愛情を受け、「だんだん瞳が輝いてくる」という。
知識が重要
犬好きで、ボランティアとして保護活動をしていた古知屋さん。2016年に山口県で捕獲された野犬が殺処分寸前で譲渡され、保護シェルターのある千葉県に移送される車中で7匹を出産。その親子を受け入れ、保護シェルターとしての活動が始まった。その母犬は、殺処分ゼロを願い「まる子」と名付けられ、今もワンレーベンで「看板犬」として生活を送っている。
「かわいいというだけで飼ってしまい、『こんなに大変だと思わなかった』など身勝手な理由で犬を手放す人がどんなに多いことか」と飼い主の知識やモラルの不足を訴える。
そのためワンレーベンでは、保護犬のしつけだけでなく、里親への教育・指導も徹底している。他の保護シェルターでは年間200頭ほどが里親に迎えられるというが、ワンレーベンでは50頭ほどに留まるのはこうした理由から。「コロナ禍でペット需要が増えた反動で、保護犬も増えている。つないだ命の二次災害を防ぎ、また不幸な犬が増えないように」と話す。今では保健所の要請で多頭飼育崩壊した家に足を運ぶこともある。
支援を受付中
浜見平のブランチ内ペットフォレストで月一回譲渡会を開催。年に数回、湘南鎌倉クリスタルホテルでは著名人を招いたトークショーも行うなど、さまざまなイベントに出展し周知活動にも力を入れてきた。また、これらのイベントでは募金箱を設置して運営資金等に充てていたが、コロナ禍でイベントが減少した影響で、運営資金がひっ迫しているそう。とはいえ、再びイベントが増え、9月2日(土)に市役所前広場で行われるナイトマルシェにはパネル展と縁日で出店する。
ワンレーベンでは里親だけでなく、保護犬の一時預かりボランティアや、保護犬の世話をするボランティア、物資支援、寄付などを受け付けている。なお、個人からの保護受け入れや相談は行っていない。
詳細はウェブサイト
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