2023年6月30日 朝日新聞デジタル
ヒグマが時速40~50キロで道路を走り去る様子を、ハンターが目撃した。北国博物館(北海道名寄市)は「道路でヒグマと遭遇したら近づいてはいけない」と注意喚起している。
6月21日午前7時半ごろ、名寄市の林道を車で走行中だったハンターが目撃した。当時は自分の畑に近づいたヒグマを山へ追い返す作業にあたっていた。独り立ち間もない若い個体とみられる。頭胴長は目測で1・4メートル、体重80キロほどという。
北海道内でヒグマの目撃情報が増えるなか、もし道路上で遭遇したらどう振る舞えばいいのか。
北国博物館の津野光学芸員によると、①後続車がいたらハザードランプをつける②ブレーキを踏んで停止③危険を察知したヒグマがヤブなど道路脇に去るのを待つ――。これが基本だ。
近づいたり追いかけたりしてはいけない。個体によっては反撃してくる可能性もあるという。クラクションを鳴らすのも「威嚇」とみなされる恐れがある。刺激を与えないことが大切という。
津野学芸員は「アスファルトの道はヒグマやエゾシカなど野生動物にとっても歩きやすい。ただ、『よく人間に出くわして居心地が悪い』と学習した個体は次第に出没しなくなる。ヒグマも人間を恐れている」と話している。(原知恵子)