鶏・豚・牛に快適な環境を 動物福祉に初指針、「現状追認」と批判も | トピックス

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2023年6月28日 朝日新聞デジタル

 

鶏や豚、牛など家畜にとっての快適性など、より良い飼育環境をつくるための指針を農林水産省がまとめ、28日発表した。動物衛生の国際的な機関が定めたアニマルウェルフェア(動物福祉)の基準を踏まえた。これまで、家畜と動物福祉の基本的な考えは示していたが、種類別の具体的な指針は初めてという。

 

 

家畜の動物福祉を巡っては、欧州連合(EU)で法制化が進んでいる。EU並みを求める声もあったが、既存の事業者にも配慮した指針となった。専門家からは「現状追認だ」との批判もある。

 

28日に専門家会合が開かれ、大筋で了承された。7月にも、都道府県や業界団体に通知する。採卵鶏、豚、乳用牛、肉用牛、ブロイラー、馬、輸送、安楽死の8項目に分け、飼育の上で動物福祉にいかに配慮するかを示した。  

 

例えば採卵鶏の飼育について、「正常な姿勢をとり、羽ばたきなどのために十分な空間を与える」「(鶏舎は)可能な限り適温を維持し、新鮮な空気を供給できるよう設計する」などとした。

 

EUでは一定のスペースに数羽を入れる「ケージ方式」のうち、止まり木などがない「バタリーケージ」という飼育法を禁止している。日本では9割の養鶏農家がケージ方式で、その多くがバタリーケージという。