正しい知識で飼育を 犬猫譲渡会で呼びかけ 茨城・行方の動物愛護団体 | トピックス

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2023年1月10日 茨城新聞クロスアイ

 

茨城県行方市で動物愛護活動を行う市民団体「リン&ハーネスの会」(中田三恵代表)が、無料の犬猫譲渡会を開いている。同市は農村地帯が広がっていることもあり、市役所には野良猫や捨て猫などの相談が多く寄せられている。中田代表は「少しでも、不幸な動物を減らすことができたら」と話す。

 

「リン&ハーネスの会」が立ち上がったのは2021年11月。同市は2020年度、避妊去勢手術の補助金を捻出しようと、ふるさと納税の仕組みを利用した「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)を実施。この際、合わせて募集した市民ボランティアが同会の母体となった。

 

同会が行っているのは、猫や犬の保護・育成、去勢手術を受けさせた上でのリターン活動。子猫や子犬については、これまでは個別に譲渡していたが、22年11月から、より多くの人に保護動物の現状を知ってもらいながら譲渡の機会をもうけようと、譲渡会の開催を始めた。

 

昨年12月11日、同市玉造甲のカインズ玉造店で開かれた譲渡会には、保護猫11匹が展示され、多くの来場者と触れ合った。会場では、会員が持ち寄った野菜の無料配布や、活動費用のための募金なども行われた。猫の引き取り希望者は申し込み書に必要事項を記入。希望者が多数の場合、抽選で里親が決まる仕組みだ。

 

家族3人で訪れた同市の男性(38)は、黒い子猫に「ビビっと来た」として、里親としての引き取りを希望。すでに保護猫1匹を育てているといい、ゲージ内の子猫を食い入るように見つめながら「一緒に暮らせるのが楽しみ」と笑顔で話した。

 

この日は、抽選になった猫も含め、3匹の引き取り手が決定。昨年11月以降、同会を通して計16匹の飼い主が見つかったという。

 

市環境課の担当者は、5年ほど前から野良猫の相談が急増してきたといい、「市内では屋外で猫を飼っている方も多いほか、多頭飼育の崩壊や餌付けなどの問題もある」と指摘する。雌の猫を繁殖可能な状態で放っておくと「2年で2千匹になるともいわれる」と注意を呼びかける。

 

同会は、今後も市内各地で譲渡会を継続的に開催していく予定。中田代表は「譲渡とともに啓発活動も行いたい。正しい知識を持ってペットを飼育してもらえたら」と話した。