2022年10月6日 東スポWEB
飼っていた子猫2匹を殴って殺すなどしたとして、大阪府警は5日までに、動物愛護法違反の疑いで大阪府泉佐野市の大学生の男(21)を書類送検した。
書類送検容疑は1月14日、当時住んでいた大阪府和泉市の集合住宅の一室で、生後半年のエキゾチックショートヘアを殴り頭にケガを負わせ、4月27日には生後3か月のラグドールの胸を殴り死なせた疑い。エキゾチックショートヘアは暴行の約3週間後に死んだ。
2~4月に猫2匹を診た獣医師が虐待を疑い、府に通報した。府警は9月に同法違反容疑で逮捕し、その後釈放し任意で捜査していた。
府警によると、男は「同居していた交際相手が好きで飼っていたが、自分は犬派。寝不足や就職面接の失敗からイライラが爆発し殴り殺してしまった」と容疑を認め、「もともと猫嫌い。鳴き声にイラつくこともあった」などと話しているという。
犬や猫を飼う人は年々増えているが、動物虐待は後を絶たない。虐待の様子をSNSなどに投稿する事例も発生している。
虐待の早期発見と防止のため、2020年に施行された改正動物愛護法では、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」と罰則が重くなり、虐待疑いのある動物を診察した獣医師には通報を義務化。多頭飼育崩壊を含む、やらなければならない行為をしない「ネグレクト」も虐待と定義した。
動物虐待がエスカレートすると、凶悪犯罪を誘発する可能性も指摘されている。ある動物愛好家は「残念ながら、罰則が重くなってもやる人はやる。やった人に総じて言えるのは命を軽く見ている傾向がある。ペットに手を出すような人は、いずれは人間にも手を出す可能性があります。動物との触れ合いの機会を増やすなどして、幼いころから動物への愛情を教えるような必要があります」と話している。