2022年9月25日 SWI swissinfo.ch
スイスでは25日、集約畜産の禁止や年金改革、大企業減税案をめぐり国民投票が実施された。集約畜産の禁止案は大差で否決された。
2022年9月25日の国民投票
家畜を密集・大量飼育する「集約畜産」の禁止案は、種差別反対団体や動物愛護団体が提起したイニシアチブ(国民発議)だ。現行の基準では動物の福祉を保証できないと訴えた。
スイス政府は、家畜・家禽の生活空間に関しては現行法で十分に規制されており、集約畜産も禁じていると反論。右派・中道政党は、スイスの動物保護法は世界で最も厳しいものの1つだと主張し、イニシアチブを否決するようキャンペーン活動を推進した。
スイスの農業のあり方を問う最近の国民投票はいずれも否決され、今回もそれに続いた。イニシアチブが可決されるには①有権者全体②州票の2つでともに賛成票が過半数を占めることが必要だ。23票(スイスには計26州あるが、6つの準州は0.5票ずつ)中22.5票が反対を示した。有権者全体でも62.9%が反対票を投じた。