「“殺処分している”と子どもに言えない」イヌ・ネコ“殺処分ゼロ”5年継続の保護現場の今 | トピックス

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2022年9月22日 MRO北陸放送

 

 

9月20日~26日は「動物愛護週間」です。 飼い主がペットを思いやる気持ちは高まっている印象を受けますが、それでも保護施設が機能している現状があります。イヌやネコの保護現場を取材しました。

 

石川県金沢市の動物愛護管理センター、ペットがその生涯を全うできるよう、適正に飼育してもらうための取り組みを進めています。 

 

取り組みの1つにあるのは、センターで収容している健康なイヌやネコを貰い手となる新しい飼い主に引き渡すことです。

 

センターでは今、イヌ1匹とネコ12匹を保護しています。2019年の動物愛護法の改正でセンターで引き取る際の基準がより厳しくなり、センターではよほどの事情がない限り、ペットの引き取りを断っています。引き取る数は、減少傾向に転じてはいます。

 

石橋アナウンサー「保護されているネコの目が普通の子より少し怖い…」 金沢市保健所 木村陽平係長

「ネコたちは慣れている人には慣れているが、初対面にはこういう目つきです。なるべく接するようにしている、人間に慣れるように事務所にも猫を入れている」

 

約5カ月…飼い主を探すイヌ

今年4月ごろに金沢市で発見され、保護されたこちらのイヌ。 10歳以上と推定されるオスの雑種で、散歩が大好きで食欲旺盛です。

 

「保護されたときはちょっと怖がって威嚇する場面もあった。徐々に慣れてきて全然大丈夫に」(金沢市保健所 木村陽平係長)

 

10年前には、金沢市のこのセンターで保護されたイヌとネコ合わせて377匹のうち、年間で285匹が殺処分されていましたが、2017年以降、けがなどによる自然死を除き、殺処分ゼロを達成しています。 

 

「2017年までは無条件に引き取って数が多いから殺処分していた。ただ、今の子どもたちに大人が(殺処分を)していると言えないのではないか」(金沢市保健所 木村陽平係長) 

 

一方で、今もなお現場で課題になっていることのひとつが、歳を重ねたイヌやネコの新たな飼い主が見つからないことです。

 

「引き取る大人ネコの譲渡先が見つからないと、飼っている期間が長くなって大人ネコばかりたまると、将来的に(センターが)どうなるのか」(金沢市保健所 木村陽平係長) 

 

金沢市はホームページに保護した動物の情報を載せて、飼い主を探しています。 

 

「家に行けば24時間に近い形で人間と触れ合っている。イヌとネコは人間と触れ合って幸せなのかな。愛情をもって接してほしい、それだけ」