人気者のセイウチ殺処分=「人の安全脅かす」と当局―ノルウェー | トピックス

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2022年8月15日 時事通信ニュース





 【オスロAFP時事】ノルウェーの首都オスロの入り江に居着き、「フレイヤ」の愛称で地元の人気者だったセイウチが14日、殺処分された。当局は「人の安全を脅かす」という評価に基づく措置で、他に手段がなかったと説明したが、動物愛護団体から批判の声が上がっている。


 フレイヤは5歳前後の若いメスで、体重600キロほど。7月17日に初めてオスロの沿岸で見つかった。以来、鳥を襲ったり、漁船の上で昼寝したりする姿が目撃されるようになった。


 当局は、フレイヤに過度のストレスを与えるとして近づかないよう呼び掛けたが、近くまで行ったり写真を撮ったりする見物人が後を絶たなかった。漁業・海洋政策省の担当者は「あらゆる方策を検討したが、(フレイヤにとって)居心地の良い状態を保証することはできないという結論に至った」と述べた。


 セイウチが人を襲うことは通常ないが、外敵から脅威を受けていると感じて攻撃することはあり得るという。


 当局の決定に対し、専門家は「人間とうまくやれないというだけの理由で美しい動物を殺処分するのは、あまりにも悲しい」と批判。環境保護政党は先に、フレイヤに麻酔をかけ、人口密集地から別の場所へ移すことを専門家が推奨したと主張していた。