【ペットがいるから避難しなかった】飼い主もペットも災害から身を守るために 同伴避難所 | トピックス

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2022年3月11日 福島テレビ







<福島県福島市で動物保護施設を運営する市議の二階堂利枝さん>
33匹の犬と猫を保護している。

SORAアニマルシェルター・二階堂利枝代表:「この犬は11年前に一人で放浪していて、それをボランティアさんが保護して。SORAにずっといる。原発から20キロ圏内のギリギリのところですね」

【ペットがいるから避難しなかった】・・・11年前の東日本大震災の際には、そんな情報が度々寄せられた。

SORAアニマルシェルター・二階堂利枝代表:「おばあちゃんとかが、電気も水道も出ないようなところで犬と2人で。周りはみんなは避難しているのに、1人でいるという人とかも何人かいて」


*****
<ためらうペットとの避難>
SORAアニマルシェルター・二階堂利枝代表:「動物がいると、避難が遅れてしまうということもあるので。飼い主さんの意識を変えていかないとなと思いました」

そのため、万が一に備えた手引きをまとめた『ペット防災』の冊子を作成。
災害時のサポートに力を入れてきた。

一方、ペットの避難訓練も実施。
後藤啓寿トレーナー:「災害のときに起きそうなことを想定して、それにワンちゃんたちが対応できるように、飼い主さんとともに練習していきたいと思います」

講師を務めたのは災害救助犬の指導手でもある後藤啓寿トレーナー。
まずはケージに入る練習。普段から慣れていないと怖がってしまい、避難を難しくさせる要因の1つになる。
次に、徒歩での避難に備えた練習。ペットボトルなどで障害物を作りいつもと違う環境を再現し、スムーズな避難に結び付けるのが狙い。

福島警察犬学校 DogBaseWANPAKUS・後藤啓寿校長:「飼い主が知識をしっかり得て、それをこういうのが災害の時に役立つんだと意識して、それを行動に移す。そして自分のペットは自分で守るという意識を、しっかり持たないとだめだと思う」

*****
<この訓練に参加した、広野寿子さんと愛犬のジュール>
広野寿子さん:「普段はいつもこの子用に、こちらに置いてあります。すぐ逃げれるようにリード。バック。すぐかけて出れるように」


11年前の震災の経験などから「持ち出し袋」にはペット用品を常備。
万が一に備えて、飼い主の連絡先などが分かるマイクロチップも装着させている。

それでも、2019年の東日本台風では…
広野寿子さん:「ワンちゃんと一緒に避難できる場所がわからなかったので、ずっと車の中では避難はしてました」

大勢の人が集まる避難所。
準備を重ねていても、ペットを連れての避難はどうしてもためらってしまった。

広野寿子さん:「ワンちゃん嫌いな人もいると思うので、そこがネックですよね」

*****
<ペットがいても避難をためらわない…ペット同伴避難所>
福島市・木幡浩市長:「全国的にもペット同伴避難は珍しい取り組みであろうと考えております」

2021年9月。福島県福島市が東北で初めて開設したペット同伴避難所。
これまでペットは避難所に入れなかったが、この同伴避難所は人とペットが同じテントで過ごすことが出来る。

新しい避難のカタチに飼い主は…
広野寿子さん:「飼い主に聞くと、うちは吠えるので行かないというのがあるので、出来れば吠えても一緒に入れるところがあれば、そちらの方に行きたいなと思っておりますね」

しかし、この避難所はまだ福島市の1カ所にとどまっていて、県内全体への広がりが待たれている。