人為的に交配されたペットの需要の高まりに獣医師が注意喚起 | トピックス

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2021年12月17日 カラパイア








  見た目のかわいさに焦点を当てて人為的に交配されたペットの中には、深刻な健康問題を抱えている場合がある。
 イギリスを拠点とする獣医院『Cat The Vet』の獣医師は、人為的交配によってペットたちに何がおきているのか?その具体的な例と事実をいくつかあげた。
 これ以上不幸な運命を背負うことになる子を繁殖させないよう、飼う側がその背景にある事実を知ることが大切だと訴えている。
 
・1.スコティッシュフォールド

 イギリスのスコットランドに起源を有する猫の一品種、スコティッシュフォールドの特徴は、なんといってもその折れ曲がった小さな耳だ。
 短い首に丸い顔、小ぶりの体はまさにキュートな猫のイメージだが、優性遺伝で発現した軟骨が異形成症という遺伝子疾患を抱えている。

 年齢を重ねると四肢の関節が変形して痛むため、動きが鈍くなったり動きたがらなくなったりした挙句、海外では安楽死という選択を余儀なくされてしまうことも少なくないようだ。


・2.鼻が平らになった犬たち


 パグフレンチ・ブルドッグなど、鼻が平らな犬たちもまた、健康状態に苦しんでいると獣医師は訴える。




・3.マンチカン

 北アメリカに起源を有する猫の一品種マンチカン(もしくはマンチキン)は、突然変異が原因の短い脚が特徴的だ。


 なお、世界の猫研究の主要な科学団体の1つであるInternational Cat Careは、マンチカン猫について、次のように述べている。



・4.ブルドッグ


 しわくちゃ風の顔に、ずんぐりとした胴体を持つブルドッグは、その愛嬌ある容貌が人気だが、虚弱な体質を持つ品種として知られている。
 印象的な見た目を保持するために、繁殖過程で健康面の問題が重視されず、現在は遺伝子多様性が限界に達していると懸念されている。



・5.平らな顔を持つ猫たち


 エキゾチックショートヘアヒマラヤンペルシャなど、頭が小さく顔が平たい種を選択的に繁殖させた品種については、獣医師は次のように述べている。



・6.ペキニーズ




・既に飼っている人はそのまま愛情をもって育てよう
 既にそういった品種のペットを飼っている場合は最後まで愛情をもって育てればよい。人間の手で世に送り出された動物たちは、人間が最後まで責任を持つ必要がある。
 問題なのはこれから生まれてくる子たちだ。
 人気の品種となれば、そのペットは売れるとみなされ、次々と繁殖させられることとなる。そういった不幸の連鎖を止めようというのが、Cat The Vetの獣医師たちの願いだ。
 また、人気の品種のメスは繁殖の為だけに何度も子供を産まされ続け、産めなくなると捨てられるケースもある。
 動物保護施設には家族を待つ動物たちがたくさんいる。そこには、あなたのことを待っている子がいるはずだ。
 NNNにマークされている人は、ふとしたタイミングでどこからともなく、猫があなたの元にやってくるかもしれない。
 飼っている人にはわかると思うけど、どんな子でも飼ってしまえばみんなかわいい。
written by Scarlet / edited by parumo