2021年10月15日 Yahoo!ニュース
コロナ禍でペットを飼う人が増えている。人と会うことが制限される息苦しさをペットは優しく癒やす。その陰で、全国で数万匹の犬や猫が毎年処分されている。私たちの社会はペットに優しいだろうか。
福岡市の動物愛護管理センターのある職員は、来年で勤続40年。同センターに入所して、来る日も来る日も、猫を処分し、犬を処分した。すぐに心を病んだ。
一度だけ、処分寸前の犬3匹を機械の陰にかくまって育てたことがある。1カ月で上司に見つかった。担当を変わるよう命じられたが、申し出て自分の手で処分した。以来、自分は機械の一部だと思うことにした。「自分は悪くない」。そう言い聞かせた。
職員は現在、小中学校に講師として派遣され、生命の尊さを教える。自身はこの40年で結婚し、孫も生まれた。しかし今も、妻を除く家族には自分の仕事を明かせていない。子どもたちの前で話すたび、心は乱れる。それでも教壇に立つ。体験を伝えることが、あやめた動物たちへの罪滅ぼし。そう思う。
一度だけ、処分寸前の犬3匹を機械の陰にかくまって育てたことがある。1カ月で上司に見つかった。担当を変わるよう命じられたが、申し出て自分の手で処分した。以来、自分は機械の一部だと思うことにした。「自分は悪くない」。そう言い聞かせた。
職員は現在、小中学校に講師として派遣され、生命の尊さを教える。自身はこの40年で結婚し、孫も生まれた。しかし今も、妻を除く家族には自分の仕事を明かせていない。子どもたちの前で話すたび、心は乱れる。それでも教壇に立つ。体験を伝えることが、あやめた動物たちへの罪滅ぼし。そう思う。