2021年8月21日 山陽新聞digital
民家の軒下や倉庫に置かれたネズミ駆除用の粘着シートに野鳥がかかり、命を落とすケースが岡山県内で相次いでいる。シートに捕獲されたネズミや虫を狙って近寄ってきたのが原因とみられている。
傷ついた野生動物を保護する県鳥獣保護センター(岡山市北区京山)によると、シートにかかった野鳥の持ち込みは3月から目立ち始め、今月19日までにスズメ4羽、フクロウ2羽の計6羽を収容。うち3羽が衰弱死した。
6月末に赤磐市の倉庫で見つかったスズメは、全身に粘着剤がくっついて羽がむしられ皮膚が傷ついていた。職員が丁寧に取り外して手当てをしたが、1週間後に死んだ。持ち込んだ住民は「まさか鳥がかかるなんて…」と驚いていたという。
シートは厚紙の片面に強力な粘着剤が付いたタイプで、ネズミの通り道に仕掛ける。ただ、粘着面にかかったネズミが上から見える状態で置くと、空中から獲物を狙って降下してくる野鳥もかかり、逃げようと暴れて足の骨が折れたり、羽が傷ついたりすることがあるという。
同センターの林花奈子獣医師(30)は例年、春先から夏場にかけてよく起こるとしており、「粘着シートは建物の入り口付近を避けて置き、野鳥から獲物を隠せるよう折り曲げて使ってほしい」とアドバイスする。
発見した際の相談は同センター(086―252―2131)。